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27 Jun 2018
新たな研究により、間欠的な断食はインスリン値を高め、膵臓細胞を損傷し、腹部脂肪量を増やす可能性がある。
いわゆる間欠的な断食は、すぐに体重を減らしたい人々の間で、ますます広がりつつある。
この人気のある食事療法は、1日のカロリー摂取量を1/4以下に大幅に制限する「断食」日と好きなものを何でも食べることができる「ごちそう」日から構成されている。
ダイエット「ブーム」と呼ばれることもある間欠的な断食は、寿命を延ばし、がんを予防するというメリットがあるため、近年普及している。
確かに、いくつかの動物実験により、間欠的な断食ががんリスクを低下させる可能性があることが示され、さらに観察研究では、宗教による定期的な断食をしている人々が断食をしていない高齢者よりも長生きしていることが明らかになった。
しかし、間欠的な断食にも欠点はあるのか?スペインのバルセロナで開催された欧州内分泌学会の年次総会で発表された研究は、ダイエットの実行は、人間の代謝に深刻な影響をもたらす可能性があると示唆している。
特に、ブラジルのサンパウロ大学の研究者であるAna Cláudia Munhoz Bonassa氏が率いる新たな研究は、間欠的な断食が膵臓の通常の働きやインシュリンの産生を低下させ、2型糖尿病のリスクを高める可能性を示唆している。
間欠的な断食は糖尿病を引き起こす可能性がある
研究者らは、短期間の断食が酸化的ストレスとフリーラジカルの産生を増やすと示唆した古い研究により研究を進めることになった。
酸化的ストレスと過剰なフリーラジカルが、老化を早め、DNAを損傷し、がん、心疾患、および神経変性のリスクを高めることが示唆されている。
間欠的な断食が本当にフリーラジカルを産生するのかを明らかにするために、Bonassa氏らは健康な成体ラットに3ヵ月のダイエットをさせた。
この期間中、研究者らは、ラットのインスリン濃度と機能、体重、およびフリーラジカルレベルを測定し、監視した。
ダイエットの終了時に、ラットは期待通りに体重が減少した。しかし、体脂肪の分布は予期せず変化した。
ラットの腹部脂肪組織量は増加した。最近の研究により、腹部の脂肪は2型糖尿病と深く関係していることが明らかになり、いくつかの研究では、前者が後者につながる可能性のある分子メカニズムを示唆している。
さらにBonassa氏らは、インスリン抵抗性の前兆、より高レベルなフリーラジカル、およびインスリン分泌性の膵臓細胞の損傷を発見した。
本研究の筆頭著者は、その知見について「間欠的な断食を選んだ肥満もしくは太った人々は、すでにインスリン抵抗性を持っている可能性があると考えるべきである」とコメントしている。
「そのため」とBonassa氏は続けている。「このダイエットは早期の急激な体重減少につながる可能性があるが、長期的には、2型糖尿病の発症など、健康に深刻な悪影響を与える可能性がある」
「これは、体重減少にもかかわらず、間欠的な断食が膵臓を損傷し、健常人のインスリン機能に影響を与え、糖尿病や重大な健康問題につながる可能性があることを示す最初の研究である」
今後、科学者らは、間欠的な断食が膵臓とインスリンホルモンの正常な機能に及ぼす悪影響をより詳細に研究する予定である。
https://www.medicalnewstoday.com/articles/321864.phpz
(2018年5月20日公開)