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27 Apr 2018
Science Translational Medicine誌に掲載されたパイロット試験の結果によると、
オーダーメイドのがんワクチンにより、卵巣がん患者の免疫反応が強まり、生存率が上昇した。
本試験は、しばしば後期まで診断されない致命的疾患である進行性卵巣がんの治療のために、異なる免疫療法を同時に行うがん治療の活用を支援する。
進行性卵巣がんの標準治療は手術後、白金を用いた化学療法で構成される。
しかしながら、多くの患者は、このレジメンを受けたあとにもかかわらず、使用可能な治療オプションがなく再発する。
待ち望んでいた新しい治療の開発をしながら、Janos Tanyi 氏らは、進行性再発性卵巣がん患者25名にオーダーメイドワクチンを創った。
そのワクチンは、採取した腫瘍に曝露された患者自身の血液から得られた免疫反応トリガー樹枝状細胞(immune response-triggering dendritic cells)から成り、T細胞に腫瘍を同定し、浸潤するよう訓練することが可能である。
著者らは、患者に単独または2つの薬剤との併用のどちらかでワクチンを投与した。
合計392のワクチン投与は、腫瘍細胞に対するrobust T細胞反応を示した患者において忍容性があった。
重要なのは、薬剤との併用でワクチン投与を受けた患者は、本研究外の ベバシズマブとシクロホスファミドのみ投与された患者群と比較して、2年生存率の平均がより高かった。
著者らはこの結果は予備的であると釘を刺したが、ワクチンが有望であることは将来的な臨床試験の正当な理由となると述べた。
https://ecancer.org/news/13672-training-the-immune-system-to-fight-ovarian-cancer.php
(2018年4月11日公開)