ニュース
12 Oct 2017
1型糖尿病は自己免疫疾患であると考えられている。従って、免疫療法が1型糖尿病の治療に使われていいという意味なのか。重要な試験でそのような治療方法の安全性が調査された。
米国で最大105万人または糖尿病人口の5%が1型糖尿病であると、CDCは報告している。
その疾患は、体の免疫システム、特にT細胞がすい臓のインスリン産生β細胞を認識せず、間違ってそれらを攻撃する自己免疫疾患であると考えられている。現在のところ、T細胞が体のβ細胞を殺すのを防ぐ治療はない。
1型糖尿病が自己免疫疾患であるという意見にも拘わらず、いくつかの研究で、おそらく免疫療法が病気を悪くするという懸念のために、1型糖尿病の治療における免疫療法の起こりうるメリットを検査した。
1型糖尿病にとって、免疫療法はプロインスリンペプチドを再現する分子から成る。これに関して、英国を本拠地とする研究者らは、プラセボ群を含む重要な試験において免疫療法のメリットを調査することを目指した。
本研究の筆頭著者は、英国Cardiff University School of MedicineのMohammad Alhadj Ali氏であり、連絡先著者は英国King’s College Londonの臨床免疫学教授であるMark Peakman氏である。
その結果は、Science Translational Medicine誌に掲載された。
プロインスリンペプチド免疫療法は安全である
Ali氏らは、100日以内に1型糖尿病と診断された27名においてペプチドの効果を調査した。
6か月間、参加者は2週間または4週間間隔で免疫療法かプラセボの投与を受けた。彼らのCペプチド値(インスリンのマーカー)は、3、6、9、12か月で測定され、ベースライン値と比較された。
試験によれば、毒性またはマイナスの副作用のエビデンスはなく、β細胞は正常な機能を損なわれないか、治療の結果として弱まった。著者らは、「治療は全身または局所的過感受性がなく良好な忍容性を示した」と執筆し、そのことが、プロインスリンペプチド免疫療法が安全であるという結論に繋がった。
さらに、「プラセボ群は、ベースライン値に対して、3、6、9、12か月で刺激Cペプチド(インスリン貯蔵の測定)において有意な減少があったが、その一方で、4週ペプチド群ではそれらの時点で有意な変化は見られなかった」と、研究者らは述べる。
重要なのは、12か月間にわたって、プラセボ群では毎日のインスリン摂取が50%増えたが、その一方で、免疫療法群はインスリン使用は安定したレベルを維持した。
免疫療法の効果は、さらに大きなコホートで調査される必要があるが、本試験はその治療の有望な安全プロフィールを示した。このような結果の臨床での実施について、Peakman氏はMNTに語り、その結果を以下のように分析した。
Mark Peakman氏
研究の限界に関して、Peakman氏は、小さなサンプルサイズは研究者らがその治療がどれほど効果的かを検査できないことを示していると述べた。結果として、将来、研究者らは疾患進行における免疫療法の効果を調査するためにより大きな試験を実施する計画をしている。
https://www.medicalnewstoday.com/articles/318899.php(2017年10月10日公開)