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01 Sep 2017
前立腺がんの研究者らは、患者の腫瘍サンプルの約50%における非遺伝性のアイデンティティ、DNAの構成を変える後天性の突然変異の影響をマッピングしてきた。
本発見により、標的治療のための新しい機会を明らかにする。
本試験結果は、Nature Genetics誌に本日オンラインにて発表された。
本研究は、TMPRSS2とERGの2つの遺伝子融合を含む非遺伝性の突然変異が、どのようにある遺伝子は変化させ、他の遺伝子を止めることに繋がる腫瘍の非遺伝性のアイデンティティを変えるのかを示すと、筆頭著者で、University Health Network、Princess Margaret Cancer Centre上席科学者であり、がんの遺伝情報を遮断することに焦点を置いたチームCancer Epigenetics Program の一員でもあるMathieu Lupien氏は述べる。
Lupien氏は、University of Toronto のDepartment of Biomedical Physicsの助教でもある。
本発見は、がん細胞のアイデンティティを変えるために、前立腺腫瘍におけるエピジェネティックスに影響を与える突然変異の力を強調している。
Lupien氏らは、融合陽性前立腺がんの発症を操縦するメカニズムを同定するためにこの事実を利用した。
「私たちの結果は、特に、融合陽性前立腺がんはNOTCH 信号経路に依存している。NOTCH 信号経路は前臨床モデルにおいて化学的に阻害されうる」とLupien氏は述べる。「これは、融合陽性前立腺がんに対して有望な薬剤ターゲットを同定し、前立腺がんの50%まで患者の遺伝体質に合わせたがん医療を提供することに、より一歩近づく」と氏は述べる。
「本研究が、臨床ケア融合プロファイルに基づいて、現在の標準治療の補完のための付加的オーダーメード治療を患者に提供するために、近い将来役立てられることが可能になることを期待している」
本研究チームは、Canadian Prostate Cancer Genome Network (CPC-GENE)に含まれる科学者、病理学者、臨床科学者で構成された。CPC-GENEは、Princess Margaret Cancer CentreのRobert Bristow氏とOntario Institute for Cancer ResearchのPaul Boutros氏が率いる世界トップレベルの前立腺がんシークエンスプログラムである。
http://ecancer.org/news/12101-mutation-in-prostate-tumours-shown-to-change-epigenetic-identity.php
(2017年8月7日公開)