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ecancer : 全般 : ASCO® 2017 : 行動療法によりがん再発に対する恐怖が低下

30 Jun 2017

すべてのがん生存者の約50%と若い乳がん生存者の約70%が中程度から高い再発の恐怖を報告している。

その恐怖はあまりにも苦悩に満ちており、医学的フォローアップ行動、気分、人間関係、仕事、ゴール設定、そして生活の質にネガティブに影響する。

しかし、この恐怖を軽減する治療介入は足りていない。

Phase II無作為化試験において、Conquer Fearと呼ばれる精神的な治療介入が、介入直後、そして3か月後、6か月後に再発の恐怖を十分に低下させた。

一般的な不安、がん特有の苦悩、そして生活の質は治療直後に精神的治療介入群においてよりよかった。

本研究は、ASCO(米国臨床腫瘍学会)2017の本日の記者会見で取り上げられ、発表される予定である。

「精神的治療介入群における再発の恐怖の軽減は、生存者の精神的かつ感情的な健康状態を改善するにはきわめて十分であった」と、オーストラリアのUniversity of Sydneyの腫瘍内科医であり、筆頭著者であるJane Beith氏は述べた。氏は、精神腫瘍医Phyllis Butow氏、 BA(Hons)Dip Ed氏、 MClinPsych氏を含む研究者らと
Conquer Fear interventionを開発した。「参加者の大半は、若い乳がん患者だったが、われわれは、治療介入は再発の恐怖が中等度から高い他の患者にとっても適切であろうと期待している。」

Conquer Fear psychology interventionは、著者らによって開発された新しい理論的枠組みに基づいている(この治療介入は、研究のために開発され、まだ臨床現場では使われていない)。訓練されたセラピストが60分から90分、個別に対面式セッションを10週間にわたって5回治療介入を実施した。Conquer Fearがフォーカスしていること:
• がんが再発するかどうかという特有の不確実性を受け入れる
• 不安をコントロールするための戦略を教える
• 生存者が注意を認識するところに対するさらなるコントロール権を与える
• 生存者に人生から得たいものに焦点をあてるようにサポートする
• がんスクリーニングについて抑制のきいたレベルを選択し、それにこだわる

研究者らは、強く再発の恐怖があると報告したstage I-III の乳がん、大腸がんまたはメラノーマの生存者、222名をConquer Fear interventionか弛緩訓練(コントロール群)のどちらかに無作為に割り付けた。

全生存者は本研究に登録する前に2か月から5年のがん治療を完遂しており、その時点でがんのない状態であった。

コントロール群は60分の個別対面式セッションを5回受けた。

セッションは訓練を受けたセラピストによって10週にわたって実施され、筋弛緩法、瞑想的リラクゼイション、可視化と迅速リラクゼイション技法が組み込まれた。

両群とも在宅で実行するための指示を受けた。

がん再発の恐怖の変化を測るために、研究者らはFear of Cancer Recurrence Inventoryと呼ばれる有効な42のアンケートからのスコアを使用した。

スコアは0から168までの範囲であり、高ければがん再発の恐怖の悪化を示す。

生存者らは、登録時、治療介入直後、3か月後、そして6か月後にアンケートに答えた。

ベースライン時の平均的Fear of Cancer Recurrence Inventoryスコアは、治療介入群で82.7点、コントロール群で85.7点であった。

本研究の主要転帰であるがん再発の恐怖の総スコアは、治療介入直後、コントロール群(平均18.1点)より治療介入群(平均7.6点)のほうが有意に減少した。

これは、臨床的に重要と考えられている範囲内である0.44という標準的エフェクトサイズを表している。

Fear of Cancer Recurrence Inventoryスコアは、6か月目では、2群間で有意な差があり、徐々に下がり続けた。治療介入群で平均27.2点、コントロール群で17.8点下がった。

研究者らは、がん特有の苦悩(どのくらいがんに対する考えに悩まされているか)、一般的な苦悩(不安、うつ、ストレス)、生活の質(自立した生活、肉体的苦痛、メンタルヘルス、幸福感、対処、人間関係、そして自尊心)を含む、他の患者の転帰も調査した。

精神的治療介入は、弛緩訓練よりこれらの転帰に対してさらにポジティブな効果があった。
 
著者らは、Conquer Fearは対面式で効果がある一方で、時間的かつ資源集約的な治療介入であると指摘する。

インターネットで、グループで、または電話でのような他の形式でも可能である。

対面式治療介入を受けているがん再発の恐怖を持つ人たちには、段階的アプローチも考慮されるだろう。

本研究では、治療介入は経験のある精神腫瘍医によって実施された。適切な訓練や指示をすれば、地域の精神科医や認知療法における基本的な訓練を受けた他の専門家が治療介入を実施することが可能である。

Watch the press conference here and video interview here.

http://ecancer.org/news/11714-asco-2017–behavioural-therapy-lowers-survivors–fear-of-cancer-recurrence.php

(2017年6月2日公開)

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