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ecancer : 皮膚 : ASCO® 2017 : 腸内細菌の多様性の高さが、転移性黒色腫における進行の遅延に関連がある

30 Jun 2017

転移性黒色腫患者の消化管中の多様なバクテリアが、免疫療法で治療した患者における疾患の進行や遅延に関連がある、とUniversity of Texas MD Anderson Cancer Centerの研究者らがASCO(米国臨床腫瘍学会)2017で報告した。

免疫チェックポイント阻害薬で治療した105名の患者から採取した糞試料の研究では、患者の微生物叢のある特徴が疾患進行の遅延に相関し、一方で他の特徴は疾患の急激な悪化に関係することを示唆している。

「腸内微生物叢の中のバクテリアのさらなる多種多様性が治療に対するより高い奏効率とより長い無進行生存の両方に関係する」と、MD Andersonの外科腫瘍学准教授で、研究リーダーであるJennifer Wargo氏は述べた。

Wargo 氏とは、治療感受性と耐性における微生物叢の役割を討議するために、ecancerはAACRで面談した。

Wargo 氏と研究者らは、豊富な特殊バクテリアも、より高い奏効率とより長い無進行生存に関連することも発見した。

「微生物叢はがん免疫療法に対する患者の反応を決定づけるようにみえる。それは、免疫治療に対する患者の適合性を評価するために、微生物叢を用いる潜在的な道筋を開く」とWargo氏は述べた。氏は、科学的発見に基づいて治療の開発を加速させることによって、がんによる死亡を減少させるための、MD Anderson’s Moon Shots Program™ Melanoma Moon Shot™のコーリーダーでもある。

Wargo氏のチームは、Parker Institute for Cancer Immunotherapy (PICI)と共同で、年内に始めることを目標に、最初の免疫療法-微生物叢(immunotherapy-microbiome)臨床試験の計画をしている。

研究者らは、人間の体の中に宿った単細胞生物とウイルスが体自身の細胞の数を上回ることを近年発見した。

この微生物叢は、免疫システムの初回刺激とその後の通常動作を含む多くの正常な機能における重要な役割を果たす。

本研究の患者は、免疫応答を止める免疫システムT細胞上のタンパク質であるPD1の活性化を阻害する免疫チェックポイント阻害薬の治療を受けた。

薬剤の効果は免疫システムに自由に腫瘍を攻撃させることである。

研究チームは、消化管中にさらに多くの多種多様な型のバクテリアを持つ患者は、より長く平均無進行生存を得たことを発見した。無進行生存は、研究に参加した患者の半分に疾患進行があれば、その時点で定義された。

平均追跡期間242日間として、微生物叢の多様性が高い患者群は平均無進行生存(半数以上が進行しなかった)に至らなかったが、中位の多様性だった患者は232日間平均無進行生存、多様性の低かった患者は188日間平均無進行生存であった。

特殊バクテリアのタイプもやはり明らかな影響があった。

F.prausnitziiが豊富な患者の半数以上が平均無進行生存に至らず、一方でF.prausnitziiが少量の患者の半数が242日までに疾患進行があった。

棒状細菌が豊富だと、疾患進行の加速に関係する。棒状細菌が豊富な患者は188日間平均無進行生存となり、バクテリアが低レベルの患者は393日間平均無進行生存となった。

研究者らは、人の微生物叢は食事、運動、抗生物質の使用によって、またさらに最近になって、糞便物質の移植を通して変えることができることを示した。

Wargo氏は、微生物叢とがん治療の関係について理解すべきことは多いと警告し、体に良い働きをするバクテリアと他の方法を用いて自己治療を試みないように人々に強く呼びかけた。

彼らが人間での臨床試験を進めるとき、Wargo氏らもまた、バクテリアと免疫システムを繋ぐメカニズムをよりよく理解するために実験研究とマウスモデル研究を行っている。

これは、詳細に研究するために、治療に反応した患者と反応しなかった患者から有益な微生物叢と好ましくない微生物叢を提供する無菌マウスへの糞便移植を含むStand Up to Cancerによって資金援助を受けたプロジェクトを取り入れるだろう。

研究チームは、糞試料から微生物叢の組成を見つけるために、バクテリアを同定するために使われた16S ribosomal RNA の存在を解析する16S rRNA sequencingを実施した。

全体のゲノム解読と免疫モニタリングは治療後の腫瘍と治療前のいくつかの腫瘍で実施された。

免疫プロファイリングは、抗PD1 治療に対する反応者が、多数の特殊バクテリアに相関性のあるCD8 killer T cellの存在を含みつつ、腫瘍における免疫浸潤が有意に増加したことを示した。

http://ecancer.org/news/11759-asco-2017–higher-gut-bacteria-diversity-tied-to-slower-metastatic-melanoma-progression.php
(2017年6月9日公開)

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