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MNT : がん:小分子がすい臓がんの治療に新しい道を開く

02 May 2017

生存率が低く、致死的かつ侵攻性疾患であるすい臓がんの新しい治療の必要性は非常に高く、その研究において、研究者らは分子のレベルで手がかりを探そうとしている。新しい研究では、MIR506と呼ばれる小分子がすい臓がん細胞の運命の重要な役割を果たしている可能性があることを発見し、がん細胞の成長と拡散能力を止める方法を提供できる可能性がある。

Autophagy誌に発表された本研究は、ノースカロライナ州Winston-Salem にあるWake Forest Baptist Medical Centerのがんの教授であるWei Zhang氏とその研究チームによるものである。

すい臓がんは、ホルモンと酵素を産生する、腹部の後にある魚のような形をしたすい臓に異常細胞が発現するときにはじまる疾患である。その細胞が制御不能になると、成長し、拡散する腫瘍を形成する。

すい臓がんの最も一般的なタイプは、膵管腺がん(PDAC)である。膵管腺がんは通常、臓器の外分泌細胞によって分泌された消化酵素が腸へ移動し始めるときに通る小さな管である、すい臓の管の中で始まる。

最も多いタイプが膵管腺がんであるすい臓がんは、すべてのがんの中で最も進行性であり、致死的である。残念ながら、 手術を除いては効果的な治療は数少ない。そしてその選択肢でさえ、多くの患者に使用できないと本研究の著者らは言及している。

すい臓がんはすべてのがんの3%しか占めていないが、すい臓がんによる死亡は、米国ではがん死亡の7%を占めている。米国では、2017年には53,670人がすい臓がんと診断され、43,090人が死亡すると推定されている。

研究では、ガン細胞死における小分子の役割を調査

新研究では、“eating of self”(自食)という意味のギリシャ語からきている言葉オートファジーと呼ぶ複雑な細胞突起のコントロールを支援する分子をテーマとしている。

オートファジーは、発達中であったり、栄養素が乏しいときなどのような重大な時にエネルギー源のバランスをとるために細胞を助ける。オートファジーは、異常な折り畳み構造のタンパク質、破損した成分そして病原体のような不必要な成分を取り除くために一役買い、細胞の維持管理において重要な役割を果たす。

オートファジーは、一般的に細胞生存のメカニズムとして考えられるが、プログラム細胞死にも関与している可能性がある。そして、それが、新研究がすい臓がん細胞におけるオートファジーの分子メカニズムを調査する潜在的な可能性である。

従来の研究では、人間の体の中で作られるmicroRNAであるMIR506と呼ばれる小分子が多くの種類のがんにおいて腫瘍抑制因子として働き、卵巣がんにおける化学療法の効果を改善することをすでに明らかにした。それは、数個の異なるシグナル伝達経路を通してこれらの効果を発揮する。

Zhang氏らは、すい臓がんにおけるMIR506の役割を調査することを決断した。彼らは、オートファジーにおいて重要な役割を果たすことを直感したのである。彼らは、研究報告の中で言及している:
「この研究では、膵管腺がんにおいて、MIR506がオートファジー関連細胞死を誘発することによって腫瘍抑制機能を発揮すると仮定した」

MIR506が“オートファジー関連細胞死”へ導く

研究チームは、この調査のために、手術中にすい臓がん患者から取り除いた腫瘍組織を移植したマウスで研究した。

マウスのMIR506値を測ったとき、通常のすい臓より、すい臓腫瘍のほうがそれらが低いことがわかった。

更なるテストによって、MIR506を実験的腫瘍細胞に加えると、がん細胞増殖を止め、それらを転移させる細胞機能を阻止することを示した。転移は、隣接する組織の中や体のほかの部分に二次性腫瘍をつくるために、細胞が原発巣から遊走する過程である。

最終的に、研究者らは、MIR506がオートファジーを通してこの効果を発揮している可能性があることを観察した。

「MIR506は膵管腺がんにおける自食変動を標的とした」と指摘した。この結果は、“STAT3-BCL2-BECN1軸と呼ばれるシグナル伝達経路の直接のターゲッティングを通したオートファジー関連細胞死”だった。

著者らは、彼らの研究がMIR506がどのように腫瘍抑制として作用するのかに関する知見に加わると述べる。MIR506は、分子もやはりオートファジー関連細胞死を通して効果を発揮するように見える。これらの知見は、膵管腺がんの治療においてSTAT3を標的とするためにMIR506を使用するという戦略を示唆する。彼らは、以下のように締めくくった。

「この結果の治療的価値の可能性は重要である。なぜなら、われわれは、ナノ粒子とエキソソームのようなテクノロジーを使って、MIR506をすい臓がん細胞へ直接届けられる可能性があるからである。うまくいけば、これがこの致死的がんと闘う新しい方法を提供するだろう」
Wei Zhang氏

http://www.medicalnewstoday.com/articles/316878.php
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