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17 Apr 2017
1型糖尿病は、原因不明の不治の自己免疫疾患である。しかしながら、新研究は、オメガ3脂肪酸が1型糖尿病に特有な免疫応答を低下させることを発見し、新しく、さらに効率的な治療の道を切り開くかもしれない。
1型糖尿病は、米国では、大人と子供を含む約1億2500万人に影響を与えている自己免疫疾患である。
1型糖尿病において、体の免疫システムは体自身のβ細胞を認識しない、したがって、インスリンを作ることを担っているβ細胞を攻撃し破壊することになる。
体は細胞へグルコースを輸送するためにインスリンを必要とする。そこでは、エネルギーを作るためにインスリンが必要とされる。インスリンを産生するβ細胞がないと、グルコースは血流で増大し、かつ体はそれをエネルギーに使うことができない。
1型糖尿病の原因はまだ不明である。そして現在、不治の病である。最も一般的な治療の選択肢はインスリン投与である。しかし、医学研究界の最終ゴールは、体の免疫システムが自身のβ細胞を攻撃したり、このプロセスを逆転したりするのを止めることである。
Journal of Clinical Investigation誌に発表された新研究では、1型糖尿病のマウスの食餌にオメガ3脂肪酸を加えた場合の効果を調査している。
オメガ3脂肪酸は、ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)の1種類である。オメガ3脂肪酸は、栄養補助食品と同様、通常は、魚、シーフード、ある種の植物性オイルに含まれる。
これらの有益な脂肪が、筋肉活動を改善し、血液凝固を防ぎ、消化を助け、細胞分裂や細胞の成長を助けることから、これらは、臓器がうまく機能するために重要である。
オメガ3脂肪酸の健康への影響はいくつかの研究で調査されてきた。ある研究では、オメガ3脂肪酸が心血管系イベントとリウマチを防ぐことを示唆したが、ほかの研究では、これらのポジティブな効果に異議を唱えているようにみえる。
しかしながら、わかっていることは、オメガ3脂肪酸は体内における炎症過程を止めることである。これにより、中国のGuangdong University of TechnologyのAllan Zhaoが率いる新研究の著者らが、これらの脂肪酸は自己免疫疾患の負の転帰を防ぐ、または改善することができる可能性があるのではないかという考えるに至った。
オメガ3脂肪酸がβ細胞を再生する可能性がある
Zhao氏らは、通常の食べ物とポリ不飽和脂肪酸が強化された食べ物を与えた非肥満性糖尿病マウスを使用した。彼らは遺伝子組み換え食品を通してこれらのマウスにおけるオメガ3脂肪酸のレベルを上げた。
The team tested the mice every 3 months for glucose tolerance and insulin tolerance.
研究チームは、3か月ごとに耐糖能とインスリン耐性のテストを実施した。
研究者らは、an infiltration of lymphocytes in the islets of the pancreasすい臓の膵島におけるリンパ球の浸潤であり、1型糖尿病の典型的な現象である、膵島炎のためにマウスのすい臓を検査した。
さらに、研究者らはマウスから血を採取し、血清インスリン値を測った。
本研究で、非肥満性糖尿病マウスの食べ物にオメガ3脂肪酸を追加すると、グルコースのメタボリズムが有意に改善し、1型糖尿病の発症が減少した。
研究者らは、膵島炎における大きな減少と同様に、炎症性の細胞シグナリングタンパクにおける減少に言及した。すなわち、オメガ3脂肪酸がインターフェロンガンマ、インターロイキン17、インターロイキン6そして腫瘍壊死因子アルファまたはTNF-α値を下げた。
それゆえ、Zhaoらはオメガ3脂肪酸で治療したマウスにおけるβ細胞再生の兆候に気づいた。
栄養強化と遺伝療法の両方が、最低182日間で血糖とインスリン値を正常化し、自己免疫の発症を止め、リンパ球が再生された膵島をすい臓に入るのを阻害し、β細胞マーカーのレベルを急激に上げた。
これらの結果は、オメガ3脂肪酸ポリ不飽和脂肪酸が1型糖尿病のための新しい治療に役立つ可能性がある。オメガ3脂肪酸の栄養強化または遺伝子治療を通してのオメガ3脂肪酸の増加の治療効果の可能性に言及しながら、著者らは以下のように結論付けた。
「われわれの研究は、1型糖尿病の臨床的な助言を提供できるかもしれない。早発段階または血糖値をきちんと管理してきたどちらかの患者が、これらの介入によって最も恩恵を受ける可能性がある。これらの治療手段は、安全性評価をクリアすれば、同様にほかの自己免疫疾患の治療でも役に立つ可能性がある」
http://www.medicalnewstoday.com/articles/316756.php
(2017年4月5日公開)