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MNT : 感染症 : 先天性ヘルペスウイルス感染症と頻度の高い小児がんとの関係

17 Apr 2017

急性リンパ芽球性白血症(最も頻度の高い小児がん)のほとんどの症例は、その発端が出生前にあることを示す根拠が存在する。また、先天性感染が何らかの役割を演じているのではないかという見解については議論の余地がある。現在、新たに実施された1つの試験で、がんを発症した小児は、出生時に実施されることが多いヘルペスウイルスのサイトメガロウイルス検査で陽性反応を示した確率が3倍以上になることが確認されている。

筆頭著者であるネバタ大学およびカリフォルニア大学サンフランシスコ校の疫学助教Stephen Francis氏らが、『Blood』誌でその試験結果を報告した。

小児急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、骨髄が未成熟白血球、すなわち、リンパ芽球、Bリンパ球、Tリンパ球に分化する幹細胞を過剰に産生することによって発症する。

このような細胞は正常な白血球のように発達せず、感染と十分に闘うことができない。また、増殖に伴い、幹細胞が健常な白血球、赤血球、血小板を産生する余地が少なくなる。そのため、感染、貧血、出血の可能性が増大する。

がんおよび一部の遺伝子疾患の治療を受けると、小児ALL(その徴候には発熱および挫傷がある)を発症するリスクに影響が及ぶように思われる。ALLは、小児に最もよく認められるがんである。一般的には2〜6歳で発症し、通常、未治療の場合は急速に増悪する。

長年、研究者らは感染が小児ALLに影響を及ぼしているのではないかと考えてきたが、今回の新たな試験で初めて特定のウイルスを突き止めている。

サイトメガロウイルス(CMV)は、あらゆる年齢層に感染するよくあるヘルペスウイルスである。成人の半数以上が40歳までにCMVに感染している。

一度CMVに感染すると、ウイルスは生涯にわたって体内に潜伏し続ける。ほとんどの場合、CMV感染の徴候や症状はみられない。

ただし、ウイルスは妊娠中に再活性化して胎児に移行し、新生児に先天性異常や聴覚障害といった深刻な結果をもたらすことがある。免疫系が弱い場合には、CMV感染によって深刻な健康問題を来たすこともある。

出生時のCMV検査で陽性反応であった場合、小児ALLを発症する可能性が高い。

この試験で、先ずFrancis助教らは、ALLと診断された小児127例と別のタイプの白血病である急性骨髄白血病(AML)と診断された小児38例の骨髄感染を比較した。

研究者らは最先端技術を用いて、既知のウイルスと細菌についてサンプルを残らずスクリーニングした。小児ALL患者の血液サンプルでは、異常な白血球や完全なウイルス粒子にCMVの遺伝的痕跡が確認されたが、AMLではほとんど確認されなかった。

続いて、研究者らは超高感度のデジタル液滴スクリーニング(ultra-sensitive digital droplet screen)を用いて、ALLを発症した小児268例の新生児時の血液サンプルについてCMV検査を実施した。また、健康小児270例の新生児時の血液サンプルについても検査を実施した。

ALLを発症した小児では、出生時のCMV検査で陽性反応を示した確率が3.71倍であることが確認された。

この可能性は、ALLを発症したヒスパニック系小児の方が高く、出生時のCMV検査で陽性反応を示した確率は5.9倍であった。研究者らは、ヒスパニック系はALLの発症リスクが最も高いことから、これは重要な結果であることを示唆した。

Francis助教は「本試験の目的は、ALL発症のはるか以前にCMV感染が生じていたことを明らかにすることにあった」と述べた。

Francis助教らはまだ日が浅いとしながらも、この結果を受けてさらに多くの研究が彼らの結果を裏付けてくれることを期待していると語った。CMVがALLを引き起こしていることも確認されれば、その成果によってCMV用ワクチンの開発が進み、その結果、母子感染を防ぐことができるようになる。

http://www.medicalnewstoday.com/articles/314814.php
(2016年12月19日公開)

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