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MNT : がん : 全般 : ビタミンCががん幹細胞を標的にし、死滅させる可能性がある

17 Apr 2017

がんは、今や世界的に主要な死因の一つであり、がんの症例数は増えることだけが予期されている。使用可能な治療はたくさんあるが、それらの多くは、毒性があり、深刻な副作用を起こす。新しい研究では、がん細胞増殖における天然のビタミンCの効果を調査している。

WHOによれば、がんは、世界的にみて、死因と病因の2番目となっており、2015年では約900万人の死因となっている。

世界的には、がんの新規症例数は、あと20年間で約70%まで増えると予測されている。

米国では、National Cancer Institute (NCI)が、米国人の約40%が生涯のある時にがんを発症すると推定している。

がんには使用可能な、さまざまな治療の選択肢がある。しかし、それらの多くは毒性があり、必ずしも効果的ではなく、どちらかというとさまざまな副作用がある。

さらに進行性の場合には、がんは治療に反応しない、そして、それはがん幹様細胞ががんに復活し、転移するからだと考えられている

Oncotarget誌に発表された新研究では、これらのがん幹細胞 (CSCs)の増殖を止める止めるかどうかについて、3つの天然物質、3つの実験的薬剤、そして1つの臨床薬の効果を調査している。

本研究は、英国マンチェスターのUniversity of Salfordの研究者らによって実施され、Gloria Bonuccelli氏が率いた。

ビタミンCは実験的薬剤より10倍効果がある

全体で、研究者らは7つの物質の影響を計測した。7つの物質は、臨床薬1つ、3つの実験的薬剤(actinonin, FK866, and 2-DG)、3つの天然物質(カフェ酸フェネチルエステル(CAPE)、シリビニン、アスコルビン酸(ビタミンC)である。

研究者らは、がん幹細胞が生存して増殖できるようにする生体エネルギーのプロセスに焦点をあてた。本研究では、がん幹細胞のメカニズムを破壊し、最終的にはその成長を防ぐことを目的とした。

検査したすべての物質の中で、actinonin,とFK866がもっとも効果があった。しかしながら、天然物質ががん幹細胞の形成を防ぐことも判明した。そして、ビタミンCは実験的薬剤2-DGより10倍効果があった。

さらに、本研究で、アスコルビン酸は解糖を阻止することで作用するすることが明らかになった。解糖は、グルコースが細胞のミトコンドリア内で破壊され、細胞の増殖のためのエネルギーに変化させるプロセスである。

University of SalfordのTranslational medicine教授であるMichael P. Lisanti氏は、この結果について以下のようにコメントしている。

「われわれは、シリビニン (オオアザミ) とCAPEそしてはちみつの派生物を含む幅広い天然物質を使ってがん幹細胞を標的とする方法を見てきた。しかし、圧倒的に、最もエキサイティングだったのは、ビタミンCの結果だった。ビタミンCは安く、天然であり、すぐに利用できるので、がんとの闘いにおいてビタミンCを将来性のある武器として使うことは有意義なステップとなるだろう」

「これは、ビタミンCと他の日毒性物質ががんとの闘いにおいてある役割を持っているかもしれない」と本研究の筆頭著者は述べる。
「われわれの結果は、臨床試験のための、そして腫瘍再発、更なる疾患進行そして転移を防ぐために、もっと標準的な治療の追加物として将来有望な物質であることを示唆している」とBonuccelli氏は追加した。

ビタミンCは効果的かつ毒性のない抗がん剤であることは、ノーベル賞受賞者Linus Pauling氏によって示された。しかしながら、著者の知る限りでは、これは、アスコルビン酸が明確にがん幹細胞を標的とし、無効化する可能性があるというエビデンスを提供する初めての試験である。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/316334.php
(2017年3月13日公開)

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