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MNT : 糖尿病 : インスリン抵抗性を反転する可能性のあるタンパク質標的が発見された

05 Dec 2016

インスリン抵抗性―体の細胞が、グルコースコントロールホルモンであるインスリンに正常に反応できない状態―は、2型糖尿病と前糖尿病の発症リスク上げる。今、研究チームは、肥満で糖尿病のマウスにおいて、免疫細胞によって選択された主にタンパク質を除去または阻害することが糖尿病性インスリン抵抗性と耐糖能異常を逆転することを示した。

University of California-San Diego (UCSD)の研究者を含む研究チームは、galectin-3(Gal3)タンパク質に関して発見したことをCell誌に発表した。

University of California-San Diegoの教授で上席著者であるJerrold Olefsky氏は次とおり述べた。
「この研究は、マウスモデルにおけるインスリン抵抗性と糖尿病のマップにGal3を含めることになる」

インスリンは、体がグルコースまたは血糖をコントロールするために使うホルモンである。糖尿病は、すい臓がインスリンを十分産生しない場合(1型糖尿病)、または体がすい臓が適切に産生するインスリンを使うことができない場合(2型糖尿病)場合に発生する慢性疾患である。

糖尿病患者のほとんどが2型糖尿病患者であり、主に過剰な体重と運動不足による。
最近まで、2型糖尿病患者は成人にのみ見られたが、現在は、より多くの子供たちが発症している。

糖尿病を治療しないと高血糖症または血糖が高い状態になる可能性が高くなる。それは、時間とともに神経と血管を含む体の重要な部分に深刻なダメージを起こす。

世界の推計では、1980年は成人の4.7%が糖尿病だったが、2014年は8.5%であることを示している。2012年は推計1500万人が糖尿病が直接の原因で死亡した。さらに、2200万人が高血糖が原因で死亡したと推定されている。

糖尿病の割合は中低所得国でさらに上がっている。米国では、糖尿病と診断された新しい症例の割合は減り始めている。しかし、数は未だに高い。

2,900万以上のアメリカ人が糖尿病だと考えられている。そして8,600万人が前糖尿病だと考えられている。前糖尿病は、2型糖尿病と他の慢性疾患を発症するリスクを上げる深刻な状態である。

<strong>マウスにGal3を与えるとインスリン抵抗性を引き起こす

他の研究者らのように、Olefsky教授は2型糖尿病におけるインスリン抵抗性が慢性組織炎症からどのように発症する可能なのかを調べてきた。

糖尿病の真実
・糖尿病の人々は、糖尿病でない人々に比べると、心疾患または脳卒中になる可能性は2倍である。
・糖尿病を持つアメリカの成人の25%が、それを知らないか、深刻な合併症を発症する可能性を自覚していない。
・米国で費やすヘルスケアの5分の1強が糖尿病と診断された人々に費やされる。

新しい研究では、Olefsky教授とチームは、標的細胞を破壊するマクロファージと呼ばれる免疫細胞がえんしょうにおいてどのような重要な役割を果たすかを説明している。

肥満の人とマウスにおいて、マクロファージと他の免疫細胞が脂肪組織に蓄積する。研究者らは、肥満の被験者における脂肪組織の中の細胞の約40%がマクロファージであると述べる。

肥満マウスおよび人間もやはりGal3(マクロファージから分泌されたシグナル伝達タンパク質)が高値であることを補足しながら、脂肪組織におけるこれらの免疫細胞の高値が慢性炎症状態とインスリン抵抗性を推進すると彼らは説明する。

Gal3の分泌物は、結果としてシグナル伝達タンパク質値がさらに高まり、免疫細胞が蓄積するという悪循環を誘発しながら、さらにマクロファージを引き付ける。

実験では、研究者らはGal3は骨髄由来マクロファージによって産生されることを発見した。そしてそのタンパク質の分泌物が、炎症がない時でさえも、肝臓、筋肉そして脂肪細胞におけるインスリン抵抗性を引き起こす。

また、彼らはGal3をマウスに与えることがインスリン抵抗性と耐糖能異常を引き起こす一方で、
薬剤投与または遺伝子を黙らせることで、肥満マウスにおいてそれを阻害すると、インスリン感受性が改善することを発見した。

著者らは述べる。「重要なのは、Gal3がインスリン受容体と直接結合し、下流インスリン抵抗性シグナル伝達を阻害することができることを発見したことである」

他の研究では、Gal3を他の疾患と関連付けてきた。研究チームは、現在、シグナル伝達タンパク質が非アルコール性脂肪肝疾患と心肝線維症のような状態の治療のための標的となる可能性があるかどうかを調査する計画を立てている。

「われわれの発見は、人間において、Gal3を阻害することが効果的な抗糖尿病のアプローチとなる可能性を示唆している」と、Jerrold Olefsky氏は結んだ。

http://www.medicalnewstoday.com/articles/313890.php
(2016年11月4日公開)

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