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ecancer : 脳腫瘍 : ESMO 2016 : 非侵襲性アプローチが、抗血管新生薬療法に適した膠芽細胞腫患者を同定する可能性

28 Oct 2016

血管形成(腫瘍の増殖と悪性転換を促進する血管発達のプロセス)は膠芽細胞腫の病理学的特質で、したがって、重要な治療標的として考えられている。

膠芽細胞腫は、最も一般的で悪性の一次性脳腫瘍である。積極的な治療を行うにもかかわらず、この疾患の予後は絶望的で、全生存期間中央値1.5年未満である。

ベバシズマブは、この疾患の治療薬としてFDA承認済みである。

研究者は、Radiomicsが、ベバシズマブ投与の再発膠芽細胞腫患者の転帰を分類し予測する画像特性(imaging signature)で同定できるかどうかを調査した。

「抗血管新生薬ベバシズマブ治療の再発膠芽細胞腫患者における第Ⅰ相試験は、有望な結果を示した。しかしながら、後の研究では全生存率の利点が示されなかった。そして最近の研究では、異なる分子サブタイプ腫瘍の患者のみベバシズマブ治療が有効である可能性が示された」と、ドイツ、University of Heidelberg Medical Center、神経放射線学部、放射線額研究医の Philipp Kickingereder氏は述べた。

「Radiomicsは非侵襲性アプローチであり、がん組織の医用画像機能は隠れた情報を含めた大量の定量的記述に転換する高度な計算方法が適用される。肉眼で画像を見る以上の情報である」とKickingereder氏は述べる。
「また、これらの画像機能は、機械学習と管理学習のアルゴリズムに依存し、患者の同定とパーソナライズ医療を可能にする予測モデルを確立するかもしれない」

チームは、腫瘍の形状・強度・構造の情報などを含み、各患者の特徴を示した、5000の定量的MRI(magnetic resonance imaging)画像を自動抽出、算出する高度なスループットアプローチを使用して、患者172名によるX線画像を解析した。

結果は、American Association for Cancer Research の公式ジャーナルであるClinical Cancer Research誌で発表された。

患者は、発見設定と検証設定に2:1で分けられ、臨床(clinical)特徴および生存(survival)特徴でマッチングされる。

治療結果[無増悪生存期間(PFS=progression-free survival)と全生存期間(OS= overall survival)]に基づいた発見設定から患者を分類するために、管理主成分(superpc)分析が行われた

無増悪生存期間と全生存期間は、ベバシズマブ治療期間から、疾患増悪と死亡または最後の追跡調査までを測定対象とした。

superpc分析は、結果の予測において最も重要である72の radiomicの機能を同定し、ベバシズマブを投与された発見設定の患者を2群に分けた。低リスク群は、無増悪生存期間の中央値5.9か月、全生存期間の中央値11.8か月。高リスク群は、無増悪生存期間の中央値3.8か月、全生存期間の中央値6.5か月。

superpc分析の有用性は、検証設定で確認できる。低リスク群は、無増悪生存期間の中央値5.6か月、全生存期間の中央値11.6か月。高リスク群は、無増悪生存期間の中央値2.7か月、全生存期間の中央値6.5か月。
高リスク群における予後不良のadiomic特性は、 腫瘍進行が1.85倍、治療期間の死亡率が2.6倍であった。

Kickingereder氏は、異なる臨床プロトコルから同定された特性の独立性を裏づけるために、大規模多施設研究で実証される結果が必要である。

「われわれの研究は、機械学習アルゴリズムに依存するradiomic機能が、抗血管新生薬療法が有効である再発 膠 芽細胞腫患者のサブセットとして定義される画像特性を同定することを明らかにした」と、Kickingereder氏は述べた。
「これは、がん治療において低コストで意思決定支援を改善する新たな方法としてのradiomicsの役割を強調し、膠 芽細胞腫患者のradiomicsにおけるさらなる調査の方向性を示す」

「放射線検査は非侵襲性で任意の再検査が可能である。そして、分子学的分析または組織学的分析に必要とされる侵襲的生検に比べて有効である」と、Kickingereder氏は述べた。「今後、高度なイメージング分析より、組織学的データと分子学的データのための価値ある補足的情報が提供される可能性がある」

真の予測画像バイオマーカーとしてradiomic特性の価値を明確にするために、研究チームによるコントロールアームを含めたさらなる研究が今後進められる。

http://ecancer.org/news/10231 
(2016年10月10日公開)

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