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MNT : 認知症 : バイオチップ血液検査により、疾病リスクがわかる

17 Aug 2016

研究者らは、DNA検査と同様の精度があるバイオチップ血液テストを使い、アルツハイマー病になりやすい患者をより速く同定する、より低価格の方法を開発した。

DNAを分析する標準的な分子検査は高価で時間がかかる。しかしながら、Randox Laboratoriesが開発したバイオチップ検査は、たった一つの血液サンプル上で複数のテストが可能である。それは、迅速な診断と同様に、時間と費用の両方を節約するという利点がある。

アポリポタンパク質(APOE)遺伝子は、脂質代謝における重要な役割をし、認知症とほかの神経変性疾患の最も重要な遺伝的リスクの一つとして認識されている。
APOEにはe2, e3, e4という3つの型がある。e4型は、遅発性アルツハイマー病を発症する人のリスクを増加させ、同様に記憶障害の早期発症に関係している可能性がある。

アルツハイマー病は、記憶、思考、行動に問題を起こす認知症の一つである。症状は、ゆっくりと進み、日常の仕事を妨げるほど重くなっていき、時間をかけて悪化する。

一つのAPOE遺伝子は、各親からの遺伝である。ある人が一つのAPOE多様体(バリアント)を親から遺伝した場合、アルツハイマー病を発症するリスクが3倍になる。両親からAPOE多様体(バリアント)が遺伝すると、アルツハイマー病を発症するリスクが8~12倍になる。

人口の約25%にAPOE e4遺伝子の1コピーが遺伝している。2コピー遺伝した場合、その人の疾患発症リスクは10倍以上になる。

バイオチップ血液検査は、一つの血漿試料から個人のAPOE4の状況を正確に検出し、それが、医学、家族歴、薬剤、ライフスタイルとともに、患者のための情報、アドバイス、そしてオーダーメイド医療を提供する一助となる。

「これは、アルツハイマー病のリスク増加を検査するためにバイオチップ技術を使った初めての事例である」と、Randox Laboratoriesの研究者Emma C. Harte氏は述べた。「このタイプの検査は、アルツハイマー病を理解し、診断し、かつリスクを理解し、薬物治療を考慮し、さらに早めにライフスタイルを変えるための力を患者に与えるためのわれわれの研究において重要である」 

バイオチップと標準的な分子診断検査は全く同じ結果

フィラデルフィアで開催された第68回AACC Annual Scientific Meeting & Clinical Lab Expoで発表された研究では、バイオチップ血液検査と標準的分子診断検査で384サンプルを解析し、その結果を比較し、バイオチップ血液検査の精度を検証した。

Randox Laboratories は、Medical University of Vienna(オーストリア)の研究者らと共に、2つの検査 結果を比較した結果、それらは100%一致した。

バイオチップ検査により、臨床医と研究者らは個々人のアルツハイマー病の発症リスクを迅速に評価でき、3時間で結果を得られた。

「アルツハイマー病のリスクに対して、この検査に病歴と家族歴を組み合わせることで、オーダーメイド医療の提案を実現できる可能性がある。この迅速で正確な検査により、医師と患者は、アルツハイマー病の進行を遅らせるためのもっと多くの治療法をより早期に選択することができるだろう」Emma C. Harte, Ph.D.

個々人のAPOEの状況が、多くの疾患、特にアルツハイマー病に対して、発症前のリスク、診断、予後、そして治療反応に影響を与えることは示唆されてきた。バイオチップ検査は、標準的DNA検査に対する、迅速で、コスト効率のよい代替手段となる。

http://www.medicalnewstoday.com/articles/312094.php
(2016年8月4日公開)

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