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30 Jun 2016
進行性尿路上皮膀胱がん(UBC=urothelial bladder cancer)に対する選択的プログラム細胞死リガンド1(PD-L1=programmed-death ligand-1)抗体であるDurvalumabの有効性と安全性におけるデータが、ASCOで発表された。
第Ⅰ/Ⅱ相試験の中間結果より、評価可能な患者における客観的奏効率(ORR)が31%(95%信頼区間(CI): 18%-47%)、PD-L1抗体高発現腫瘍患者で46%(95%信頼区間(CI): 28%-66%)であった。
フランス、ヴィルジュイフ、Institut Gustave Roussyの早期臨床試験長である Christophe Massard氏は、「これらのポジティブな予備データは、膀胱がん治療におけるdurvalumabの臨床的な有効性と安全性プロフィールを支援し、Durvalumabが患者集団における多くの未解決ニーズに対するブレイクスルー療法としての可能性を立証し続ける」
Durvalumabは、非小細胞性肺がん(NSCLC= non-small cell lung)、頭頸部がん、膀胱がん、胃がん、すい臓がん、肝細胞がん(HCC=hepatocellular carcinoma)、血液がんにおいて、単剤療法およびtremelimumabとの併用療法として検討されている。
12週以上における完全奏効または部分奏効、または安定疾患で定義された疾患制御率(DCR=Disease control rate)は、評価可能な患者で48%(95% CI: 32%-64%)、PD-L1高発現腫瘍の患者で57%(95% CI: 37%-76%)であった。
奏効期間中央値にはまだ達していなかった。
Durvalumab 10mg/kgを最大12カ月にわたって2週ごとに静脈内投与したところ、全患者(n=61)で管理可能な安全性プロファイルを示した。
患者の5%以上で最も一般的な有害事象は、すべてグレード1または2であった:疲労(13%)、下痢(10%)、食欲減退(8%)、関節痛(7%)、無力症(7%)、吐き気(7%)、熱病(7%)。
患者3名がグレード3の治療関連有害事象を経験した:急性腎障害1名、投与時反応1名、腫瘍フレア1名。
MedImmuneの副社長でOncology Innovative Medicines部の責任者であるDavid Berman氏は次のように述べた。「膀胱がんのセカンドライン治療としてのdurvalumab単独療法における有効性データは大変励みになり、durvalumabに対する反応が明らかにPD-L1発現とリンクしているというわれわれの診断アッセイに関する確実性を支持する。われわれは、単剤療法およびtremelimumabとの併用療法において、膀胱がんのファーストライン治療に取り組むDANUBE試験におけるdurvalumabの可能性にむけた今後の調査結果を楽しみにしている」
http://ecancer.org/news/9551
(2016年6月8日公開)