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30 Jun 2016
レナリドミドによる維持療法が多発性骨髄腫における疾患進行リスクを減少させることが、さまざまな臨床試験で証明されてきたが、全生存率についての確実的な結果がなかった。
過去の研究の中には、自家造血幹細胞移植術後のレナリドミド維持療法が、新たに診断された多発性骨髄腫の全生存率を改善することを示したものもあったが、他の研究ではこのアプローチについて効果は示されなかった。
Roswell Park Cancer Institute (RPCI)、Blood & Marrow Transplant 部長のPhilip McCarthy氏(MD)は、ASCO2016において発表した。
本研究は、NCI、Intergroupe Francophone du Myélome (IFM)、Gruppo Italiano Malattie Ematologiche dell’Adulto (GIMEMA)の支援により、Alliance for Clinical Trials in Oncology (かつての Cancer and Leukaemia Group B=CALGB)が行った、3つの無作為比較試験のメタ解析である。
本研究では、1,200名以上の参加者が登録された。
この分析では、新たに診断された多発性骨髄腫で自家造血幹細胞移植術後のレナリドミド維持療法を受けた605名と、プラセボまたは維持療法を行わない604名とを比較した。
7年目において、レナリドミド維持療法群の62%は、対照群の50%に比べて生存率が高かった。
全生存率の有意差は、サブグループ全体で一貫していた。
「自家造血幹細胞移植術後のレナリドミド維持療法は、現在、多発性骨髄腫の治療基準と見なされている」と、メタ解析における上席著者であり、米国研究;CALGB (Alliance) 100104の研究責任者であるMcCarthy氏は述べた。「この疾患患者の生存率とQOLにおける過去10年の改善は、非常に印象的で励みになる」
http://ecancer.org/news/9552
(2016年6月8日公開)