トップ > ニュース

ニュース

MNT : 循環器 : MRI検査は、心疾患高リスク患者をみつける最適かつ最も安全な方法である

13 Jun 2016

British Heart Foundation (BHF)の資金提供による、University of Leedsの臨床試験のエビデンスによれば、MRI検査は心臓性胸痛のある高リスク患者を見つけるための最も安全で効果的な方法である。

Annals of Internal Medicine誌に発表された研究では、狭心症と疑われる胸痛に続く死亡や心臓発作のような深刻なイベントを予見する上で、総合的に見れば、心臓MRIは良い結果であった。研究者らは、患者が重篤な心イベントの高リスクまたは低リスクだったかどうかをもとに患者を分ける最適な方法をみつけるために、750名の5年間追跡調査を実施した。研究者らは、SPECT 検査(電離放射線を使用し、一般的に冠動脈性心疾患の診断に使用される方法)と、危険性が考えられる放射線を使用しないMRI検査を比較した。

世界の死因の第1位である冠動脈性心疾患(CHD)は、英国では、毎年ほぼ7万名の死亡原因である。これは、1日平均190名、または8分ごとに1名が死亡する計算になる。CHDによる死亡の多くは心臓発作によって起こる。CHDは、心臓を支える大動脈が脂肪組織の集積によって狭くなったり、塞がれたときに起こる。これによって、胸痛や狭心症が起き、治療しないと心臓発作を引き起こす可能性がある。

狭心症が疑われるときには、動脈の内部を撮影するためにある種の放射性を帯びた色素を使用する侵襲的方法であるX線血管造影図、または電離放射線を取り込む非侵襲的方法であるSPECTのどちらかで検査する。対照的に、MRI検査は、体の内部の詳細な画像を作り出すために強力な磁場と電波を使用し、他の病状の診断に役立てるために広く使用されている。

本論文は、5年間大規模追跡研究からの結果であり、CE-MARC (Clinical Evaluation of MAgnetic Resonance imaging in Coronary heart disease)研究の一連の論文を追跡している。これらの論文は、心臓MRIが冠動脈性心疾患のある患者の診断と管理に最適なオプションであるという報告の一因である。このBHFの資金による研究の初期の報告では、冠動脈性心疾患の診断において、MRIはSPECTより費用対効果が大きいことを示唆した。

この研究は、安定冠動脈性心疾患検査の将来的な臨床ガイドラインについて知らせると期待されている。そうすることによって、SPECTでは2つの病院を必要とするが、MRIは一つの病院のアポのみ必要なので、NHS(the National Health Service、英国)に対するプレッシャーを和らげる可能性がある。

School of Medicine at the University of Leeds の教授であり、BHFの資金による研究を率いたJohn Greenwood氏は、以下のように述べた。
「SPECTは、現在MRIより広く使用されているが、広い範囲の疾患に対するMRIの使用は、今後何年かして心疾患の検査には、さらに簡単に利用可能になることを意味する」

「心臓MRIの利点は、電離放射線への暴露を軽減するだけではない。非侵襲的心臓MRI検査は、NHSにとってはSPECTよりも診断の正確性と費用対効果だけでなく、疾患の転帰の予見でもやはり優れている」

「本研究の結果は、臨床ガイドラインの変更や医師らが疑わしい心臓疾患による胸痛を検査する方法に繋がる可能性がある」

British Heart Foundation医長のPeter Weissberg氏は、以下のように述べた。
「本研究は、MRIは胸痛のある人々の重大な冠動脈性心疾患を診断する最適な非侵襲的方法である」

「MRI検査をすることは放射線を使わない、そしてスキャナーは英国中の心臓センターで広く使用されている。英国は、英国診断ガイドラインにおいてそれを採用するよう支援すべきである」

「BHFは、10年前よりLeedsに取り入れつつ、磁気共鳴断層撮影装置(MRS)に重点を置いた投資をしてきた。公の寄付金の投資が、よりよい患者ケアのために道を開いている」

Article: Prognostic Value of Cardiovascular Magnetic Resonance and Single-Photon Emission Computed Tomography in Suspected Coronary Heart Disease: Long-Term Follow-up of a Prospective, Diagnostic Accuracy Cohort Study, John P. Greenwood, MB ChB, PhD; Bernhard A. Herzog, MD; Julia M. Brown, MSc; Colin C. Everett, MSc; Jane Nixon, PhD; Petra Bijsterveld, MA; Neil Maredia, MB ChB, MD; Manish Motwani, MB ChB, PhD; Catherine J. Dickinson, BM BCh, MA, PhD; Stephen G. Ball, MB BChir, PhD; and Sven Plein, MD, PhD, Annals of Internal Medicine, doi:10.7326/M15-1801, published online 10 May 2016.

http://www.medicalnewstoday.com/releases/310261.php
(2016年5月13日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー