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ecancer : 膵がん : ASCO® 2016 : 膵がん術後のカペシタビンと化学療法との併用療法により生存率が延長

06 Jun 2016

今までで最大の膵がん研究の1つであるヨーロッパの第Ⅲ相試験は、ゲムシタビン化学療法と経口薬剤カペシタビンとの併用により、毒性の増加なく、生存率が延長することを示した。

ゲムシタビンアジュバント化学療法は、現在、膵がんの外科的切除後の世界共通標準治療である。

本研究は、記者会見でとりあげられ、ASCO 2016で発表された。

「残念なことに、膵がんと診断された時には、ほとんどが手遅れである」と、英国、リバプールのUniversity of Liverpool、Department Molecular and Clinical Cancer Medicineの外科部長で本研究筆頭著者であるJohn P. Neoptolemos氏は述べた。

「これは、手術を受けることができる膵がん患者が、一般的な2つの化学療法の組合せにより生き延びる可能性があることを示した、重要な研究である」

研究デザイン

European Study Group for Pancreatic Cancer (ESPAC)における4つの試験は、被験者732例によるもので、術後の膵がん患者により行われた、今までで2番目に最大となる臨床試験である。

術後12週間以内に、早期膵管腺がんを無作為に割り付け、ゲムシタビン単独またはゲムシタビンとカペシタビンの併用を24週間行った。

研究結果

全生存期間中央値は、併用療法28.0か月、ゲムシタビン単独25.5か月であった。

推定5年生存率は、併用療法28.8%、ゲムシタビン単独16.3%であった。

「生存期間中央値に大きな差はなかったかもしれないが、長期生存の改善は、膵がんにとって実のある内容である」と、Neoptolemos氏は述べた。

「5年生存率において、手術単独で8%だったのが、アジュバント療法で30%近くまで増加した」

著者によると、患者特性は、実世界の膵がん集団の代表であった。

大多数の患者は、局所進行性か侵攻性の疾患、大きな腫瘍、または腫瘍の不完全摘出などの、望ましくない予後因子を有していた。

併用レジメンにおける生存率の改善は、これらの因子に関係ないようだった。

喫煙者であったが診断後に禁煙した患者は、喫煙を続けた患者に比べ、予後良好であった。

全体的に、両群間において、副作用の種類及び重症度に大きな差はなかった。

重度の下痢は、併用レジメンにおいてやや多くみられ(併用14例、単独5例)、疲労に関しても同様であった(併用16例、単独14例)。

生活の質(QOL)も両群間で同等であった。

今後の展望

この新しいゲムシタビンとカペシタビンの併用化学療法レジメンの安全性を追求すると、この併用療法に他の治療法を付加するチャンスが広がり、患者の転帰をさらに改善する可能性がある。

今後の研究では、患者に最も適切な特定のアジュバント療法を予測するテストの開発に焦点をあてる。

ゲムシタビンおよびカペシタビンについて

ゲムシタビンは、早期膵がんの標準的なアジュバント療法として使用される静脈内化学療法である。米国では、乳がん、卵巣がんおよび肺がん治療にも承認されている。

カペシタビンは、乳がんおよび結腸直腸がん治療に米国で承認された経口化学療法薬である。ゲムシタビンとカペシタビンはともに、ジェネリック医薬品がある。

膵がんについて

2012年には、世界中で338,000名が膵がんの診断を受けた。

膵がんの最も発生率が高い国は米国とヨーロッパであり、低い国はアフリカとアジアであった。

2016年には、米国では成人53,070名が膵がん診断を受けると推定されている。

膵がんは、米国におけるがんの死因第4位である。この疾患により、今年41,780名が死亡すると推定されている。
http://ecancer.org/news/9529   
(2016年6月3日公開)

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