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ecancer : 乳がん : SABCS 2015 : デノスマブが閉経後のHR陽性乳がん患者の無病生存率を改善

27 Dec 2015

補助アロマターゼ阻害剤治療にデノスマブを併用することで、閉経後の初期ホルモン受容体(HR)陽性乳がん患者において無病生存率が改善するという第Ⅲ相ABCSG-18試験の結果が、SABCS2015で発表された。

「初期のHR陽性乳がんにおける閉経後女性の大半は、アロマターゼ阻害剤のみ、またはその後タモキシフェンが、5年から10年にわたり初期診断治療を完了するまで投与される」と、Medical University of Viennaの外科で教授のMichael Gnant氏が述べた。

「これは、補助内分泌療法と呼ばれ、骨健康を侵害する」
「FDAは、補助アロマターゼ阻害剤治療を受ける骨折の危険性が高い乳がん患者において、骨量を増やす補助治療剤として、デノスマブを承認した。しかしながら多くの場合において、補助デノスマブは骨粗鬆症と診断された患者のみに処方されている」と、Gnant氏は続けた。

「当研究における新しいデータより、この治療が骨の健康状態にかかわらず、補助アロマターゼ阻害剤治療を受けるHR陽性乳がん患者すべてに提供されるべきであることが示された」

ABCSG-18試験において、閉経後の初期HR陽性乳がん患者3,425名のうち、デノスマブ群1,711名とプラセボ群1,709名にランダムに振り分けられ、それぞれ半年ごとに60 mg皮下投与された。

中央値4カ月の追跡調査後、デノスマブ群はプラセボ群に比べて18%の骨折リスク減少が示された。

「前回の論文発表内容を踏まえ、補助デノスマブが、補助アロマターゼ阻害剤療法による骨折を50%減少させることが示された。ここで報告される新たな知見により、補助デノスマブの有効性は増大する」

Gnant氏は、この分析が、Independent Data Monitoring Committee(IDMC)からの勧告の結果として行われ、370件の無病生存事象に基づいていることを述べた。

「それゆえ、この結果は絶対的な統計的検出ではなく、今後、より長期の追跡調査による分析で確認することが必要である」と、Gnant氏は続けた。

「しかしながら、結果の有益性については確信している。結果としてベネフィットが追跡調査の初期段階で明らかであったのは事実であり、従来のビスフォスフォネート投与よりも有意であった」

「IDMCが、骨折に対する劇的な有益性から、『患者による選択』すなわちプラセボ対照非盲検臨床試験の実施を勧告したことも触れておく」と、Gnant氏は加えた。

「2016年に、もしプラセボ群であったことが分かった被験者らには、非盲検の選択とデノスマブ治療を提供する」

http://ecancer.org/news/8303   
(2015年12月9日公開)

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