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21 Dec 2015
慢性免疫性血小板減少症(ITP=immune thrombocytopenic purpura)は、血小板減少をきたす複雑な自己免疫疾患である。この疾患により、血液の凝固は防止され、出血リスクが増大する。
慢性ITPの発症リスクは、遺伝的要因が影響する可能性がある。
本研究では、慢性ITPとITP臨床症状の重症度に対する感受性に関連する遺伝的変異体の特定に指標がおかれた。
研究者らは、Weill-Cornell Medical CenterのPlatelet Disorders CenterとNorth American Chronic ITP Registryよりサンプルを入手した。
大多数の患者は、診断の時点で19歳未満であった。
エクソームシーケンス(WES=Whole exome sequencing)は、ITP Consortium of North America主導の研究の一部として、Baylor College of MedicineのHuman Genome Sequencing Centerにて行われた。
研究者らは、慢性ITPに関連する遺伝的変異体を同定する高度な分析ツールを使用した。
研究より、IFNA17とDGCR141を含む免疫細胞の情報伝達と関連する遺伝子変異体は、健常者集団に比べて、慢性ITPの小児患者で有意に有することが示された。
ITP患者172名のうち45%以上は、免疫細胞活性と関連した遺伝子であるIFNA17のコード化変異体である。これとは対照的に、研究者らは、ITPを有さない5,664名のうちの1%未満においてIFNA17変異体を発見した。
慢性ITPにおいては初めての研究であり、これらの所見が、この疾患発症の理解向上を促進させるかもしれない。
さらに、罹患者の遺伝的変化について理解が向上すると、この疾患を治療する、よりパーソナライズされたアプローチにつながる可能性がある。
Jenny M. Despotovic氏のpress conferenceはこちら。
http://ecancer.org/news/8297
(2015年12月5日公開)