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21 Dec 2015
Yale Cancer Centerの研究者らは、インフルエンザ合併症のリスクが高いがん患者における、インフルエンザ感染のリスクを低下させるワクチン戦略を開発した。
この研究結果は、ASH2015、フロリダ州オーランドにて発表された。
免疫系のがん患者は、多発性骨髄腫のような一般的な感染症を起こしやすく、また、インフルエンザ中に深刻な疾患を引き起こしたり、死に至る可能性がある。
多発性骨髄腫および他の形質細胞疾患の患者は、毎年インフルエンザワクチンを受けるにもかかわらず、インフルエンザの予防接種1回では、適切な免疫反応が起こらないことが研究により示された。
研究者らは、高用量インフルエンザワクチンの投与1ヵ月後に、第二の高容量ブースター接種を行う必要があるという見通しを立てた。
高用量のワクチン(Fluzone High-Dose)は、65歳以上対象の単回接種用として、2009年にFDAから承認された。
「ブースター戦略により、患者のインフルエンザ感染率が6%低下したのに対し、予測値は20%であった。そして、66%の患者において、そのワクチンが予防可能な、あらゆるインフルエンザに対する予防を改善した」と、研究著者のAndrew Branagan氏(血液学、postdoctoral associate in medicine)が述べた。
「承認済みの新しい投薬方法によるインフルエンザワクチンの使用により、感染リスクが高い患者群に有望な結果がもたらされる」と、Branagan氏は続けた。
「われわれは、2015年から2016年のインフルエンザ流行時期に、Yale Cancer Centerにて現在進行中の大規模な前向き無作為化試験における結果が確認できればと思う。われわれは、この戦略が他のがん患者群に利益をもたらす可能性があると考えている」
http://ecancer.org/news/8274
(2015年12月7日公開)