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ecancer : 脳腫瘍 : NCRI2015 : 最新の脳腫瘍マッピング方法を発見

03 Dec 2015

科学者たちが、脳腫瘍の境界をより明確にマッピングし、腫瘍が磁気共鳴映像法(MRI= magnetic resonance imaging)で示されるたんぱく質を発見したと、National Cancer Research Institute (NCRI) Cancer Conferenceで発表された。

ラットで実施されたこの研究は、脳腫瘍治療の精度の改善を目標とした臨床試験につながることが想定される。

科学者らは最初、脳腫瘍の浸潤縁における血管中に、がんが最も蔓延しそうな部分からタンパク質を同定した

このタンパク質は、脳の腫瘍によって引き起こる炎症反応の一部として生成される。

この炎症のマッピングにより、科学者はがんの精密な画像を得る。

科学者が、タンパク質すなわちVCAM-1を脳内血管上で認識して示す、特殊な造影剤を開発した。この造影剤は、MRIでも識別可能である。

重要なことは、タンパク質は血管内に存在し、血流よりアクセス可能であることである。

この新しい研究より、脳腫瘍の最も精密な画像が得られ、増大する腫瘍の境界が初めてマッピングされた。

重要なのは、これらの細胞の拡散を捕えることである。

臨床MRI技術により、脳腫瘍の多くは、患者の脳出血の画像が表示される。

残念ながら、脳腫瘍の境界付近の血管は、多くの場合無傷であるため、MRIによって腫瘍全体を明らかにすることはできない。

英国では毎年約9,700名、すなわち1日に27名の割合で、脳内または中枢神経系の他の部分の腫瘍が診断される。

研究著者で、University of Oxford 、Cancer Research UK の科学者であるNicola Sibson氏は、「腫瘍の境界をマッピングできなければ、手術や放射線療法で進行性がん細胞の摘出が困難となり、脳腫瘍は元に戻る」と述べた。

「この研究では、外科医と放射線治療士がより効果的に治療ができるよう、脳腫瘍の画像精度を高めることができることが示された」

2015 NCRI Cancer Conference の議長であるCharlie Swanton氏は、「脳腫瘍は大変治療が困難で、毎年あまりにも多くの患者が命を失う。腫瘍が最も増殖し拡散する部分において、腫瘍の境界を認識するといったこの重要な研究は、医師による患者の治療を大きく改善し、より多くの命を救う可能性がある」と述べた。

Cancer Research UK の最高責任者であるHarpal Kumar氏は、「脳がんの生存率は大変低い。そのため、Cancer Research UKにとって、脳がんの治療法についての研究は最優先事項となる。脳腫瘍の境界の確認は、患者へより良い手術や放射線治療を提供する一歩となる。聖杯は、新たな画像技術により、脳腫瘍の完全な摘出を可能にすることである。それは、疾患の再発を減らし、より多くの命を救う」と述べた。

http://ecancer.org/news/8073
(2015年11月4日公開)

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