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ecancer : 全般 : 薬物デッドロックの破壊:ニトログリセリンの再利用による抗がん治療

25 Sep 2015

一世紀以上にわたり、ニトログリセリンは、とりわけ狭心症または胸痛の治療に使用されている。

安全で、安価で、有効な薬剤である。

がん治療のためにニトログリセリンを再利用するという最新の知見が、ecancermedicalscience誌より発表された。

Anticancer Fund(ベルギー)、およびGlobalCures(米国)による国際連携プロジェクトである、Repurposing Drugs in Oncology (ReDO)プロジェクトにより、既存薬でがん治療以外に広く使用されている薬剤が、新たながん治療のソースとなる可能性が発見された。

「多数のがん治療の失敗は、腫瘍の低酸素状態または腫瘍組織内の酸素濃度低下が原因である」と、GlobalCuresの創設者であり、本研究著者のVidula Sukhatme氏は述べた。今まで、この何とも言えない原因で、腫瘍を治療するのは困難であった。

「腫瘍酸素化の改善により、放射線療法および化学療法の転帰が改善された」と、Sukhatme氏は述べた。

「ニトログリセリンは、そのような改善をもたらす薬剤の一つである」

「ニトログリセリンは簡単に入手でき、安価であり、比較的非毒性である。古い薬剤であり、複数の作用機序を持つからといって、患者に有意となる可能性を無視するのは残念なことだ」

「腫瘍の低酸素状態に加え、ニトログリセリンは抗がん剤の送達を改善する可能性がある」と、ReDOプロジェクトのメンバーであり、Anticancer Fundに所属の、本研究著者であるPan Pantziarka氏が述べた。

「ニトログリセリンの最も注目すべき点は送達方法であり、経皮パッチを使用することで、さらなる錠剤や薬剤投与 を行わなくても、既存の治療法により患者に利益をもたらす可能性がある」

ニトログリセリンはこれまでも異例の用途で用いられてきた。

一世紀以上前、ダイナマイトの発明家は、ニトログリセリンを使用して爆弾を開発したが、その発明がもたらした破壊をみて後悔した。

それゆえ、Alfred Nobel氏は、彼の発明に関する歴史書の名誉のため、人類の最高の成果を称えるノーベル賞を設立した。

ReDOプロジェクトの研究者らは、ニトログリセリンを抗がん剤として普及させるには、サポートと関心の呼びかけが必要であると考える。

しかし、Alfred Nobel氏が生きていたら、ニトログリセリンの最新の用途を心から誇りに思ったであろう。

参考:Sukhatme Vidula, Bouche Gauthier, Meheus Lydie, Sukhatme Vikas P and Pantziarka Pan (2015) Repurposing Drugs in Oncology (ReDO)—nitroglycerin as an anti-cancer agent ecancer9 568

http://ecancer.org/news/7671      
(2015年8月27日公開)

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