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13 Aug 2015
高血圧でない場合でも、食物の塩分摂取における小さな違いが、数年後には個々人の血圧において決定的な違いとなる可能性があると、日本の研究発表の著者が結論づけた。
American Heart Association誌に発表された研究結果は、日本の一般人口における正常血圧者4,523名を追跡した観察研究の結果である。
研究では、「食物のナトリウム摂取が相対的に高い場合と漸増の両方において、日本の一般人口における血圧と高血圧の発症の将来的な増加に関係がある」と結論づけた。
研究に参加した健康な人たちの4分の1のほとんどが3年間にわたって高血圧を発症した。そして最も多く塩分摂取した人たちは、高血圧を発症しやすかった。
ナトリウム摂取を徐々に増やした人たちは、徐々により高い血圧を示した。
筆頭著者であり、名古屋市立大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学助教である杉浦知範氏は、「われわれの研究では、研究の開始時にナトリウムレベルが高い、または、初めから低いかどうかは問題ではなかった。 塩分レベルが数年にわたって次第に増えると、両方のグループともに高血圧を発症するリスクがより高かった」と述べた。
杉浦氏は、日本人と同様に、米国人も本研究結果と関係があると警告している。
「米国人は、1日平均約3,500 mgのナトリウムを摂取している。どの公衆環境衛生団体が推奨している摂取量より約1,000 mgも多い。ナトリウム摂取を減らせば、背景や国籍がなんであろうと、生命を助け、費用も節約でき、心臓の健康を改善することができる」
AHAは、米国人が塩分摂取を減らすようサポートしている
事実、米国心臓協会(AHA)は、塩分摂取をより低く制限しており、1日のナトリウム摂取を1,500 mg程度にするよう推奨している。
協会では、Sodium Breakup websiteで、減塩するための様々な方法を提供している。
研究者らは、ヘルスケアプロバイダーから定期的にチェックを受けた人たちの尿中ナトリウム量を解析することで得られた塩分量を評価した。追跡解析は、約3年間続いた。
研究結果では、ナトリウム摂取量の最も少ない人たちが1日2,925 mg摂取し、最も高い人たちが1日5,644 mg摂取していた。
AHAは、米国の食物におけるナトリウムの4分の3以上が、加工食品に添加された塩分であると述べている。
10人中9人の米国人がナトリウムを摂り過ぎており、また、ナトリウム全体の主な供給源となっているのは、パンとロールパン、コールドカットと保存肉、ピザ、鶏肉、スープ、サンドウィッチの6種類の塩辛い食べ物である。
研究結果を議論しつつ、著者らは、「食物のナトリウムが高血圧の発症における最も重要なキーポイントの一つであることを示した、従来の実証研究と臨床研究を考慮しつつ、今回の結果は、食物のナトリウム摂取を徐々に減らしていくことは、高血圧の新たな発症を防ぎ、加齢にともなう血圧上昇を下げることに有益である可能性がある」と述べた。
「食物のナトリウム摂取を減らす努力と同様に、食物のナトリウムを増やさないように努力することは、一般人口における高血圧の第一次予防と血圧の降下にとって効果的である可能性がある」と加えた。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/297441.php
(2015年7月30日公開)