トップ > ニュース

ニュース

ecancer : 乳がん : 一般的なホルモンが乳がん治療に有効な可能性

11 Aug 2015

全乳がん患者の約半分は、安価で、広範囲に使用可能な女性ホルモンのプロゲステロンが追加されることで、いつか恩恵を受けることになることが、Cancer Research UKの資金提供による調査として、Nature誌に発表された。

女性ホルモンのエストロゲンにより刺激を受けた腫瘍は、がん細胞の促進を引き起こし、エストロゲン受容体を阻害するタモキシフェンなどの薬剤で治療を行う。

同様にプロゲステロン受容体を有する腫瘍のある女性患者も、よりよい予後になることで知られている。

しかし、数十年にわたり、科学者たちはその原因を特定できなかった。

Cancer Research UK’s Cambridge Research InstituteとUniversity of Adelaideの科学者らは、
プロゲステロン受容体が、乳がん細胞のエストロゲン受容体に細胞機能を変化させ、最終的に腫瘍促進を抑制するよう伝達する方法を明らかにした。

オーストラリアのUniversity of AdelaideでWayne Tilley氏とともに研究を導いたCancer Research UK’sのJason Carroll氏は、「われわれは、プロゲステロン受容体の乳がんにおける重要な役割を引き出すために最先端の技術を使用してきた。それは、長年にわたって科学者らを困惑させた」と述べた。

「この重要な実験研究より、乳がん患者の一部はよりよい予後であることは明らかになった。重要なことは、臨床試験の有力な症例が示されたことである。試験では、エストロゲン受容体の標的薬に、ホルモンによる乳がんの大部分の治療を改善する可能性を秘めるプロゲステロンを追加した潜在的な利点について調査した」

研究者らによると、毎年、英国では50,000ほどの新しい乳がん症例がみられ、その約半数がこの知見により潜在的に有益になるという。

Cancer Research UK、senior science communication officerのEmma Smith氏は「細胞に関するこの素晴らしい研究より、安く、安全で、広く使用可能な薬剤が、潜在的に全乳がん患者の約半数の治療を改善する可能性が示された。本研究のおかけで、70%ほどの女性が乳がんを20年以上生き延びることができる。しかし、もっと多くの女性が対象となるべきで、あらゆる疾患の治療法を見いだすまでわれわれは研究を続ける」

参考:Mohammed H. et al. Progesterone receptor modulates estrogen receptor-α action in breast cancer, Nature (2015)

http://ecancer.org/news/7489    
(2015年7月8日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー