ニュース
31 Jul 2015
最新の化学放射線療法にもかかわらず、悪性神経膠腫において、信頼性の高い予後を迎えるのは困難である。
神経膠腫の外科手術による除去が、今のところ最適な治療法とされている。
Universitätsklinikum Erlangen’s Departmentの脳神経外科の医師らは、現在、比較的正確に疾患の経過を予測できる放射線画像スキャンの分析の新しい手段を開発している。
彼らの研究は、Scientific Reports誌に掲載されている。
医師、Katharina Friedlein氏にちなんで命名された『Friedlein Grading A/B (FGA/B)分類システム』は、腫瘍から、外科的除去が最適かどうかを迅速かつ正確に確定する。
原則として、Erlangen大学を拠点とする医師らは、所定のMRI(magnetic resonance imaging)により、脳内の腫瘍の位置に応じて腫瘍を分類する。
脳機能領域内にないか、あるいは脳機能領域内から、ある特定の距離に存在する腫瘍は、FGA(Friedlein Grading A)と分類され、脳機能領域付近か、その中にある腫瘍はFGB(Friedlein Grading B)として分類される。
FGA / B分類方法により、腫瘍の手術の結果の予測が可能となった。厳密で、低リスクかつ定量的な方法であり、治療の成功には不可欠である。
そのため、Friedlein Gradingシステムは、臨床現場において容易に適用可能な初の分類システムとなった。
「このような分類システムを開発するために、これまで薬剤による試みが何度かなされてきた。しかしながら、アプローチのほどんどは非常に複雑であり、臨床現場での使用は困難であり、学術的価値観にのみ基づいた内容であった」と、FAU(Friedrich-Alexander-Universität)の脳神経外科のチーフであるNicolai Savaskan氏は述べた。
「FGA / B法は、神経膠腫患者が受けなければならない標準MRIスキャンに基づいた適用が可能であり、シンプルで信頼性が高い。われわれは、小さな病院の脳神経外科部門の医師らが、日常臨床現場においてうまく使用ができることを願っている」
参考: Friedlein, Bozhkov, Hore et al. A new functional classification system (FGA/B) with prognostic value for glioma patients. Scientific Reports, July 2015.
http://ecancer.org/news/7517
(2015年7月15日公開)