ニュース
17 Jul 2015
ほとんどの急性骨髄性白血病(AML=acute myeloid leukaemia)患者は、最初、化学療法に反応するものの、大部分はその後、再発および難治となる。
化学療法で死ななかった白血病細胞は、長い間生存し、あとで再発する。
研究者は、このような微小残存病変(MRD=minimal residual disease)が特定の後天性DNA突然変異と関連するかどうかを調査したが、関連する場合、それらの変異はどのように化学療法耐性を促進するのだろうか。
DNMT3A遺伝子のR882変異はMRDの強力な予測因子であり、AML患者の大規模なコホート研究において有害転帰を伴った。
AMLの病因と化学療法耐性における変異体DNMT3A遺伝子の役割を調査するために、マウスモデルにこの変異を導入した。
DNMT3A単体ではマウスに白血病が生じなかった。しかしながら、DNMT3A変異造血幹細胞は、DNA損傷すなわち化学療法後のストレス状態において、非変異体細胞よりもはるかに長く存続した。
また、変異体DNMT3Aは、Flt3ITD変異およびNpm1c変異とともに、白血病を急激に加速させた。
分子レベルにおけるDNMT3A変異細胞にて、DNA損傷の兆候に関する調査はできなかったが、DNA修復の減少、生存率の上昇、そして、化学療法後の突然変異の蓄積にはつながった。
それらのデータは、変異体DNMT3Aが白血病細胞において化学療法耐性を促進することで新たなメカニズムをもたらし、一般的なAMLのサブタイプにおいて有益な治療を可能にする唯一の弱点を示唆する。
Memorial Sloan Kettering Cancer Center、Guryanova氏のpress conferenceはこちら。
http://ecancer.org/news/7413
(2015年6月12日公開)