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17 Jul 2015
EUTOSネットワークを代表して、ミュンヘンLudwig-Maximilians大学のVerena Hoffmann氏が、新たな診断を受けたCML患者のWeb登録データについて、EHA 2015にて発表した。
チロシンキナーゼ阻害剤がCML治療へ導入されて以来、生存期間が大幅に改善された。
しかしながら、臨床試験でみられるような現代医学のこのような注目に値する成果が、CML患者の日常の健康管理に導入されたかどうかは、ほとんど知られていない。
それゆえ、Hoffmann氏らは、あらゆるCML患者が現行のガイドラインに従って治療を受け、臨床試験と同等の良好な治療結果をもたらすかどうか、調査を行った。
European LeukemiaNet (ELN)とNovartis社は、全9,250万人の住民を網羅するヨーロッパ20か国や指定地域において、新たな診断を受けた全CML患者を記録するWeb登録システムを設置した。
ヨーロッパで収集した最初のデータは以下の通りである。
患者の94%は疾患の初期段階で診断を受け、80%がELNの推奨によりイマチニブによる治療を受けていることがわかった。
新しい治療は、臨床試験または染色体異常の患者を対象に行われていた。
標準未満の治療を受けている患者数は少数で、おもに高齢患者が対象であった。
生存率は、臨床試験結果よりもHoffmann氏らの収集データのほうが低かった。
しかしながら、予後の統計結果を調整すると、生存期間は臨床試験での結果と同様であった。
イマチニブの特許が切れることで、標準未満の治療を受ける患者がさらに減少することが期待される。
Hoffmann氏のpress conferenceはこちら。
http://ecancer.org/news/7412
(2015年6月12日公開)