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24 Jun 2015
連邦政府資金による第III相試験により、標準的なホルモンおよび放射線療法にドセタキセル化学療法を追加することで、高リスク局所性前立腺がんによる男性の死亡リスクを低減することが発表された。
5.5年の平均追跡調査では、4年全生存率は標準治療群89%に対し、ドセタキセル化学療法追加群93%であった。
著者らによると、米国では毎年、およそ33,000名の男性が高リスク局所性前立腺がんと診断される。
「この研究は、化学療法が局所性前立腺がんの補助治療の役割を果たすことを初めて示した。また、われわれは将来的に、高い延命効果を期待している」と、筆頭著者であるロサンジェルスCedars Sinai Medical Center、放射線腫瘍学教授のHoward Sandler氏は述べた。
「この知見は、何千もの男性の転帰を改善することができる。同時に、化学療法は副作用が増加するため、医師は患者とその治療における有益性とリスクについて話し合う必要がある」
補助療法は、患者が、手術や放射線治療などの腫瘍の一次治療後に行われる追加治療である。
補助療法の目的は、再発のリスク低下と、全生存率の改善である。
最も一般的ながんである肺がん、乳がん、結腸直腸がん、および前立腺がんのなかで、前立腺がんは、確立された補助化学療法レジメンのない唯一の疾患である。
研究では、高リスクな局所進行前立腺がんを有する562人の男性に対して、標準治療(放射線療法+ホルモン療法2年)と、標準療法にドセタキセル化学療法追加を無作為に割り当てた。
ドセタキセルは、放射線治療後の月より、18週間投与した。
平均追跡期間5.5年後、死亡者数は標準治療群では52名、セタキセル化学療法追加群では36名であった。
4年全生存率において、標準治療群では89%、ドセタキセル群では93%であった。
ドセタキセルはまた、再発のリスクを低減した。5年無症候生存率において、標準治療群では66%、ドセタキセル群では73%であった。
今後の患者の追跡調査により、補助化学療法の長期有益性が定められ、QOL解析が行われるであろう。
Sandler氏は、「今後の研究において、抗リスク局所性前立腺がんの男性において補助療法の影響を調査する」と述べた。
Sandler氏へのinterviewとpress conferenceはこちら
http://ecancer.org/news/7350
(2015年5月30日公開)