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ecancer : 肝がん : 免疫抑制剤または抗がん剤の服用による、B型肝炎再活性化

04 Mar 2015

これまでは、化学療法または免疫抑制療法を受けるB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した人は、再活性化のリスクを伴う可能性があるという報告が、Hepatology誌に「AASLD Emerging Trends Conference: Reactivation of Hepatitis B」のレポートサマリーとして掲載されている。

HBVの再活性化は致命的であり、本研究の著者らは、免疫抑制剤または抗がん剤による治療開始前の全患者におけるHBVの定期検査を勧めている。

HBVは、感染者からの血液等の体液の接触により感染し、肝臓を攻撃する急性疾患または慢性疾患を引き起こす。

ワクチン接種はHBVの拡散を制御するものの、医学的証拠により、世界人口の10%ほどがB型慢性肝炎に感染していると推定される。

米国では2012年、Disease Control and Prevention(CDC)に3,000ほどのB型慢性肝炎症例の報告があった。

Food and Drug Administration(FDA)は、Drug Safety Communication、すなわち「免疫抑制剤オファツムマブと抗がん剤リツキシマブによりB型肝炎活性化のリスクを軽減させる警告文と新規勧告」を2013年9月に発行した。

オファツムマブとリツキシマブは、免疫系B細胞において見られるCD20抗原に対するモノクローナル抗体治療薬である。

これらの抗CD20抗体は、自己免疫疾患、白血病、リンパ腫ならびに移植による拒絶反応を治療するために使用される。

「FDAが、ウイルスの再発を制御するオファツムマブとリツキシマブによる治療を開始する前に、HBV患者へ検査を行うよう医師らに促進したものの、これは氷山の一角にすぎないだろう」と、筆頭著者のミズーリ州、Saint Louis University School of Medicine、Adrian Di Bisceglie氏が述べた。

HBV感染を検出するために、医師らは患者の血液中を循環するB型肝炎表面抗原(HBsAg)を探している。

B型肝炎コア抗原に対する抗体は、HBsAgのクリアランス後、すべての患者の体内に作られ、血液中に残る。これは疾患再活性化の可能性を暗示する。

HBV再活性化は、急性肝不全さらには死を引き起こす可能性があるため、深刻である。事前調査では25%の死亡率が報告されている。

体系的文献レビューの後、研究者はHBV再活性化に関する研究504例を同定した。

HBV再活性化が発生するかは不明であるものの、専門家は、ウイルス複製の免疫制御を失うことで、再活性化プロセスが誘発する可能性があると考えている

HBV再活性化は、化学療法、臓器および組織移植、高用量のコルチコステロイド、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)を標的とする生物学的製剤を伴い、抗TNF薬物は、リウマチ性関節炎、クローン病や大腸炎を含む消化器系疾患、乾癬などの皮膚疾患などの、リウマチ性疾患の治療に使用される。

「われわれの研究より、HBV再活性化の問題は、正当に評価されないが、2種の抗CD20薬の使用よりはるかに優れた臨床課題かもしれないことが示唆される」と、Di Bisceglie氏が結論を述べた。

「さらなる研究とさまざまな医療分野間の連携により、HBV再活性化の理解は深まるであろう」

参考:Adrian M. Di Bisceglie, Anna S. Lok, Paul Martin et al., Recent FDA Warnings on Hepatitis B Reactivation with Immune-Suppressing and Anti-Cancer Drugs: Just the tip of the iceberg? Hepatology, 20 Jan 2015

http://ecancer.org/news/6956  
(2015年2月5日公開)

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