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ecancer : 乳がん : 新たなシークエンシング技術が、まれな乳房腫瘍における遺伝的な手がかりを明らかにする

04 Mar 2015

University of Michigan Comprehensive Cancer Centerの研究者による新たな研究より、葉状腫瘍と呼ばれる、まれな種類の乳房腫瘍における遺伝的基盤の特徴が示された。これらの腫瘍に作用する分子改変の初の総合解析を行ったことによる。

研究者が次世代のシークエンシング技術を使用すると、保管された細胞組織サンプルから、100以上の遺伝子における変化を同定することができる。

「われわれは、葉状腫瘍の生物学についてほとんどわかっていない。研究されていない理由のひとつは、多数のサンプルを鑑別することが困難だからである。われわれは、この新しいシークエンシング技術を使用することで、保管された細胞組織サンプルの研究を行えるようになり、十分なサンプルを同定して、有意義な解析を行えるようになる」と、University of Michigan Medical School、病理学と泌尿器学の准教授、研究著者のScott A. Tomlins氏が述べた。

葉状腫瘍は、乳房腫瘍の全種類の約1%にあたる。

多くが良性であるが、転移性になる可能性もある。

現在、腫瘍の発症または初期治療後の増殖といった可能性を、確実に予測するよい方法がない。

葉状腫瘍が転移性になった場合は、有効な治療法がほとんどない。

研究者らは、University of Michiganで保管されていた組織サンプルである、葉状腫瘍15サンプルを使用した。

それらのサンプルは均等に各分類別に分けられた。良性とみなされる5サンプル、境界病変の5サンプル、そして悪性の5サンプルである。

サンプルは少量だが、腫瘍生物学の遺伝的手掛かりを同定するには十分である。

研究者らは、がんの機能または役割を有することで知られる遺伝子パネルに対して、サンプルの配列を決定した。

研究者らは、複数の悪性葉状腫瘍において増幅された2つの遺伝子、EGFR(epidermal growth factor receptor)ならびにIGF1R(insulin-like growth factor-1 receptor)を発見した。

治療法はすでに、EGFRならびにIGF1Rタンパク質に対して開発されており、他のがんに対して試験が行われている。

同様に、この研究による結果が葉状腫瘍におけるこれらの治療法の評価を裏づける。

さらに、研究者らは遺伝子MED12(mediator complex subunit 12)がすべての葉状腫瘍の分類において高頻度に突然変異することを発見した。

この遺伝子はまた、葉状腫瘍に関連したまれな婦人科腫瘍において役割を果たす。

研究者らは、MED12が腫瘍の発症に関与する可能性を確信している。

研究の結果は、Molecular Cancer Research誌にて発表されている。

「葉状腫瘍はまれな腫瘍であるが、侵攻性の症状についてはよりよい治療選択を行うことが重要である。初めのステップは、これらの腫瘍の根底にある生物学を理解することである」と、Tomlins氏は述べる。

「さらなる研究と検証が必要であるが、われわれの任務は葉状腫瘍に関与する有望な標的を特定することである」

http://ecancer.org/news/6877 
(2015年1月20日公開)

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