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05 Jun 2025
B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)は、小児白血病の約85%を占め、小児に最も多いがんである。
REDECANによると、スペインでは2025年に400例以上の患者が新たに診断されると推定されており、患者の約20%は5年以上生存できないと予想されている。
明るい面としては、B-ALLがん細胞上に存在するCD19タンパク質を標的とした新しい免疫療法の開発がゲームチェンジャーとなり、再発患者や標準治療が奏効しない患者に目覚ましい臨床効果をもたらしている。
しかし、これらの患者の約50%は最終的に再発する。多くの場合、がん細胞がCD19マーカーを失って適応するためであり、免疫回避として知られるプロセスである。
Josep Carreras Leukaemia Research Institute and Hospital 12 de Octubre(CNIO)の研究者らは、免疫回避を正確に避けるために、白血病細胞をより長く抑制することができる新しいCAR-T免疫療法(改変した生きた免疫T細胞を抗がん剤として使用)を試験管内実験でテストした。
Pablo Menéndez博士、Clara Bueno博士、Luis Álvarez Vallina博士が率いる研究チームは、効率を高めるためにCD19だけでなく、B-ALL細胞に存在する2番目のタンパク質であるCD22も標的とした。
ダブルターゲティングは以前にもテストされていたが、がん細胞に対する免疫活性化を高めるために、同じCAR-Tで2つの異なる方法を組み合わせた。
まず、改変されたT細胞にはCD22に対する通常のCAR-T構造があり、CD22を白血病細胞に誘導する。
さらに、CAR-Tは、CAR-Tかどうかに関係なく、あらゆるT細胞をCD19タンパク質に引き寄せることができる分子(二重特異性抗体)も分泌する。
この革新的なアプローチは、体中のがん細胞を探し出して破壊できるCAR-T細胞の精度と寿命の長さを融合し、二重特異性抗体の力と共に、他のT細胞を呼び寄せて抗腫瘍反応を高めるのに役立つ。
その結果、白血病細胞は2度識別され、より多くのT細胞によって識別されるため、前臨床実験で示されたように治療効果が高まる。
この新しい方法論は、Javier Arroyo Ródenas氏とAïda Falgàs氏の共著で、Journal for Immunotherapy of Cancer誌に発表されたもので、再発率を低下させ、患者の長期予後を改善することができる、将来の新世代の免疫療法の基礎となりうる、新しく革新的なアプローチを示している。
(2025年5月28日公開)