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e-cancer:卵巣がん プラットフォームが予測した治療法がプラチナ抵抗性卵巣がんの予後を改善する

24 Apr 2025

npj Precision Oncology 誌に発表された新たな第Ⅲ相臨床試験の結果から、がん幹細胞検査はより効果的な治療法を正確に選択し、プラチナ抵抗性卵巣がん患者の予後改善につながることが明らかになった。

本研究の筆頭著者であるUniversity of Cincinnati Cancer CenterのThomas Herzog医学博士は、上皮性卵巣がんは、最初は化学療法に反応を示すが、その後、治療抵抗性と腫瘍の再増殖期に入ると述べた。

「これは、化学療法によって受けた損傷から腫瘍を再構築し、修復するがん幹細胞 (CSC) が選択され、再活性化されるためである」と、Cancer Centerの研究医であり、UC College of MedicineのPaul and Carolyn Flory教授(婦人科腫瘍学)であり、UC Health’s Gynecologic Cancer Disease Centerの所長であるHerzog氏は述べた。

臨床試験を共同開発したPier Paolo Claudio医師によると、ChemoIDプラットフォームは、個々の患者の腫瘍に認められたCSCを特定の抗がん剤と対比させて、どの薬剤が最も有効である可能性が高いかを特定すると述べた。

「腫瘍細胞だけでなく、CSCにおける化学感受性を検査することで、腫瘍を再増殖させるCSCを根絶できると考えられる」とHerzog氏は述べた。

本試験に登録されたプラチナ抵抗性卵巣がん (プラチナ製剤ベースの化学療法を受けて6ヵ月以内にがんが再発した) 患者81名は、ChemoIDによって化学療法を選択する群、医師が標準的な方法で選択する群のいずれかに、無作為に割り付けられた。

Herzog氏は、治療法を選択する医師は通常、承認された治療法、過去の経験、患者の過去の治療歴、および患者がすでに経験した毒性や副作用に依拠すると述べた。

研究者らが主に評価したのは、患者の客観的奏効率(ORR)であり、これは、各治療群において一定期間内に治療に対して部分奏効または完全奏効を示した患者の割合であった。

さらに、研究者らは、無増悪生存期間(PFS:治療中および治療後に、がんが悪化することなく患者が生存する期間)と奏効期間を測定した。

「再発卵巣がん患者を対象とした無作為化試験において、ChemoIDアッセイを用いた治療と医師の選択による治療を比較したところ、全奏効率、無増悪生存期間中央値、奏効期間中央値が統計学的および臨床的に有意に改善した」とHerzog氏は述べた。

ChemoID群の患者のORRは50%であったのに対し、医師選択群では5%であった。

ChemoID群の患者のPFS中央値は11ヵ月であったのに対し、医師選択群の中央値は3ヵ月であった。

ChemoID群の奏効期間中央値は8ヵ月であったのに対し、医師選択群では5.5ヵ月であった。

治療に対する患者の反応率が向上すれば、効果がない治療や不必要な毒性に関連する医療費を削減できる可能性がある、とClaudio氏は述べた。

この研究結果は、特に治療選択に困難を伴うプラチナ抵抗性の卵巣がん患者において、アッセイに基づいた治療法を活用することで経済毒性を軽減する可能性があることを示唆している。

今後、ChemoIDの有効性をさらに検証し、BRCA遺伝子変異を有する患者など、特定の分子サブグループにおいてどのように作用するかをより深く理解するためには、さらなるデータが必要であるとHerzog氏は述べた。

新たに登場した生物学的療法を試験することにより、この検査の最適な使用法をさらに明確にできる。

 

https://ecancer.org/en/news/26272-platform-predicted-treatments-improve-outcomes-for-platinum-resistant-ovarian-cancer

(2025年4月7日公開)

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