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e-cancer:乳がん 高齢乳がん女性の5年死亡率とフレイルとの関連性

10 Apr 2025

新たな研究では、疲労、歩行速度低下、筋力低下、運動不足、体重減少につながる生理的能力低下の指標であるフレイルの変化と、高齢乳がん女性の5年生存率との関連が指摘されている。

これらの知見から、化学療法中のフレイルを管理することで転帰を改善できる可能性が示唆される。

JAMA Network Open誌に掲載された「Frailty Trajectories Following Adjuvant Chemotherapy and Mortality in Older Women With Breast Cancer」と題するこの研究では、I~III期の65歳以上の乳がん女性患者20,292名のコホートにおいて、4.5%が化学療法開始後に非回復性フレイル(生理的予備能の低下)を経験したことが明らかになった。

これらの女性は、フレイルが安定している、あるいは改善傾向にある女性に比べて、生存転帰が有意に悪かった。

コホートに占める割合が少ないにもかかわらず、回復力のない女性グループの死亡率は際立って高かった。

また、この研究では、体力を維持した人や一時的な衰えから回復した人の生存率が高かったことも判明した。

しかし、経時的なフレイルの変化の追跡は、患者集団の全体的な生存傾向の把握には役立つが、個人の死亡リスクの予測にはあまり役立たなかった。

この研究はまた、フレイルの変化が転倒や入院といった他の重要な健康転帰を予測できるかどうかについてのさらなる研究の必要性を浮彫にした。

その結果、既往症のある患者などリスクの高い患者には、栄養サポート、身体活動、治療の副作用の管理など、的を絞った介入が有効であることが示唆された。

研究者らは、高齢患者のケアと転帰を改善するために、がん治療を通じてフレイルを追跡することの重要性を強調した。

「われわれの研究は、フレイルは静的な状態ではなく、時間とともに、とくにがん治療中に変化する可能性を示している。フレイルの軌跡を注意深く監視することで、医療提供者はリスクの高い患者を適切に特定し、生存転帰を改善するためのタイムリーな介入を実施することができる」と、Hebrew SeniorLifeのHinda and Arthur Marcus Institute for Ageing Researchのアソシエートサイエンティストであり、 Frailty Research Programmeの創設者であるDae Hyun Kim氏は述べた。

 

https://ecancer.org/en/news/26271-study-links-frailty-to-five-year-mortality-rate-among-older-women-with-breast-cancer

(2025年4月7日公開)

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