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e-cancer:皮膚がん 新たな治療法の試験が成功

26 Feb 2025

基底細胞がんは皮膚がんの中で最もよくみられるがんであり、顔面などの日光露光部に多くみられる。

特に局所進行性基底細胞がんは外科的治療が難しいことがある。

MedUni ViennaとUniversity Hospital Viennaの研究チームは、新たなタイプの治療法の有効性を調査し、有望な結果を得た:活性物質であるTVECは、研究参加者全員において基底細胞がんを縮小して外科的切除を改善するだけでなく、一部の患者では腫瘍の完全な退縮をもたらした。

この研究はトップジャーナルであるNature Cancer誌に掲載された。

この研究では、Talimogene Laherparepvec(TVEC)が使用された。TVECは現在、転移性表在型メラノーマの治療にのみ承認されている。

TVECは遺伝子組み換え単純ヘルペスウイルスを用いた薬剤で、選択的に腫瘍細胞を破壊すると同時に免疫系を活性化する。

この研究の目的は、腫瘍の外科的切除によって患者が機能的、整容的な制限をできるだけ受けることのないように、手術前に腫瘍サイズを小さくすることであった。

この研究には、基底細胞がんの大きさと部位の条件から皮弁(flap)や皮膚移植が必要であった18人の患者が含まれている。

患者は、腫瘍の外科的切除前13週間にわたって計6回のTVECの病変内注射を受けた。

「その結果、症例の半数で腫瘍を縮小することができ、創部の単純縫縮が可能になった。3分の1の症例では、その後の組織学的検査で残存腫瘍細胞は認められなかった。治療を受けたすべての腫瘍は少なくとも縮小しており、治療によって増大した腫瘍はなかった。この治療法は患者の忍容性も良好であった」と、研究責任者であり皮膚科のSkin Tumour Centre の責任者であるChristoph Höller氏は研究結果の要約で述べた。

「基底細胞がんの新たな治療法によって手術が簡略化するだけでなく、手術による整容的な問題や機能的制限を防ぐことができるだろう」と本研究の筆頭著者であり、同じく皮膚科に所属するJulia Ressler氏は付け加えた。

臨床試験に加え、皮膚科の研究者たちはSt. Anna Children’s Hospitalと協力して、TVECによる治療過程で腫瘍組織の免疫防御の強化を示す包括的な分析を行った。

これらの結果から、TVECは基底細胞がんのネオアジュバント、すなわち術前療法に有効であり、特に広範囲の手術が難しい患者に対する有望な選択肢となりうることが示唆された。

より大規模な患者集団におけるこの新しい選択肢の有益性を確認するために、さらなる研究が必要である。

 

https://ecancer.org/en/news/25942-skin-cancer-new-treatment-option-successfully-tested

(2025年1月28日公開)

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