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18 Feb 2025
研究者らは、肺がんのバイオマーカーを検出するための低コストで反応の速い新たなセンサーを開発し、症状が現れる前に疾患を発見できるスクリーニングデバイスの開発への道を拓いた。
このセンサーは、グルコースモニタリングデバイスに設計が似ており、血液サンプルからわずか40分で結果を提供する。
この技術は、臨床医が肺がんのリスクが高い患者を特定したり、すでに診断された患者に対して“精密医療”のアプローチで治療法を調整するのに活用される可能性がある。
この3年間の研究プロジェクトでは、Cranfield Universityの元博士課程の学生であるMahdi Arabnejad氏、Bio-Nano Sensors教授であるSam Tothill氏、Bio-sensorsおよびFunctional Polymersの上席講師であるIva Chianella博士が、血液サンプル中の2つのタンパク質をスクリーニングするセンサーを開発し、実験室環境でそのコンセプトを実証した。
本研究では、2つの重要な肺がんバイオマーカーである神経特異的エノラーゼ(NSE)とがん胎児性抗原(CEA)の高感度センサーの開発に焦点を当てた。
このセンサーは、緩衝液とヒトのサンプルで試験され、NSEとCEAの両方で臨床的に意義のある検出限界を達成した。
この結果は、この技術が、肺がんの早期かつ正確な検出における有益な手段として、大きな期待が持てることを示している。
このシンプルかつ迅速な検査により、臨床スタッフはこのセンサーを用いて肺がんリスクの高い患者を特定し、さらに詳しい検査が必要な場合は紹介することができる。
この積極的な取り組みは早期発見を可能にし、転帰を改善する。
この検査は、患者の治療中にも使用することができ、例えば化学療法ががんにどのように作用しているかを追跡することができる。
Chianella博士は次のようにコメントした:
「現在のところ、肺がんのスクリーニング検査は高額で、時間もかかる。まだ初期段階ではあるが、我々が開発したセンサーは早期発見に大きな期待が寄せられており、迅速な治療や患者の生存率の向上につながる可能性がある」
「Impedimetric Biosensors for the Quantification of Serum Biomarkers for Early Detection of Lung Cancer」という研究論文が、Biosensors誌 2024,14,624に発表された。
https://ecancer.org/en/news/25985-new-screening-device-shows-promise-for-early-lung-cancer-detection
(2025年2月7日公開)