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10 Feb 2025
Moffitt Cancer Centerの研究者らが主導した新たな研究によると、ステージ4の乳がん患者は、無症候性脳転移が、これまで考えられていたよりも多くみられることを示している。
Neuro-Oncology誌に発表された本研究は、症状のない患者の脳転移を発見するために、医師が現在のスクリーニングガイドラインを再考する必要があることを示唆している。
研究者らは、トリプルネガティブ乳がん、HER2陽性乳がん、ホルモン受容体陽性/HER2陰性乳がんを含むステージ4の乳がんと診断された無症状の患者101名を調査した。
これらの患者は、脳転移の有無を確認するためにMRI検査を受け、最初の検査でがん転移の徴候が見られなかった場合は、6ヵ月後にMRI再検査を受けた。
最初のMRI検査を終えた患者のうち、14%に脳転移が認められた。
サブタイプ別の割合は以下の通りである:
・トリプルネガティブ乳がんでは18%
・ HER2 陽性乳がんでは15%
・ ホルモン受容体陽性/HER2 陰性乳がんでは10%
2回目のMRI検査後、脳転移を有する患者数は各サブタイプで約25%増加した。
診断後、患者は全身療法および局所療法の変更を含む脳転移に対する早期治療を受けた。
「我々の研究では、ステージ4の乳がんは、無症候性脳転移が非常に多いことを示唆している」と、Moffitt Cancer Center のBreast Radiation Oncology準会員兼チーフで、本研究の治験責任医師である Kamran Ahmed博士(MD)は述べた。
「我々の研究結果を確認するためにはより大規模な研究が必要であるが、乳がんの脳転移に対する全身療法および局所療法の改善を考慮すると、末期乳がんにおいて定期的なMRIサーベイランスを推奨しない現在のガイドラインを再考する適切な時期にあるのかもしれない」
この研究はFlorida Breast Cancer Foundationの支援を受けた。
(2025年1月29日公開)