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03 Feb 2025
Mount Sinaiの Tisch Cancer Institute のLymphoma Immunotherapy Programの責任者であるJoshua Brody医学博士が率いる国際的な医師団が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と呼ばれる一般的でかつ困難ながんの治療において重要な新発見をした。
EPCORE NHL-2と呼ばれる臨床試験において、研究者らはDLBCLに対する化学療法と免疫療法併用の有用性を示した。今月初めにBlood誌に発表された結果は、リンパ腫が再発したり、標準的な治療が効かなかったりする患者に新たな希望を与える。
リンパ腫は米国で5番目に多いがんであり、DLBCLは最も罹患率の高いサブタイプである。再発または一次治療で効果が不十分な患者に対しては、免疫療法(CD3xCD20二重特異性抗体による)または化学療法(ゲムシタビン+オキサリプラチン)の2つが最も一般的な治療アプローチである。この2つのアプローチを組み合わせた臨床試験は、今回初めて発表されたもので、完全寛解率はどちらかのアプローチ単独よりも明らかに高く、安全性も同等であった。
DLBCLは米国で最も一般的な非ホジキンリンパ腫(NHL)であり、リンパ腫の3人に1人を占める。DLBCLは年齢に関係なく発症するが、おもに高齢者に発症する。診断時の平均年齢は60歳代半ばである。通常、胸部や腹部など体の奥にあるリンパ節や、首や脇の下など自分で感じることのできるリンパ節に、急速に大きくなる腫瘤として始まる。腸や骨、あるいは脳や脊髄など、他の部位から発症することもある。
「最初の治療が効かない患者にとって、選択肢は限られていたが、この研究では免疫療法と化学療法の併用という新しい試みを行った」と、Brody氏は述べた。「免疫療法は体内の免疫システムを用いてがんと闘い、化学療法は薬剤を用いてがん細胞を死滅させる。この研究ではこれらの治療法を組み合わせたところ、驚くべき結果が得られ、どちらか一方の治療法だけの場合よりも多くの患者でがんの消失が見られた」
Brody氏によれば、この新しい併用療法は、再発または治療困難なDLBCL患者の治療法を完全に変える可能性があるという。この研究試験では、どちらか一方の治療を単独で行った場合よりも、この併用療法を行った場合の方が、より多くの患者が完全寛解に至った。STARGLOと呼ばれる近々実施される別の研究では、同様のアプローチが調査され、これらの調査結果が確認される可能性がある。
「われわれの次の目標は、DLBCLの最初の治療法の一部としてこの併用を使用し、さらに多くの患者を救えるかどうかを確認することである」と、Brody氏は述べた。
この研究には、University of MichiganとスウェーデンのKarolinska Institutetの医師と研究者が参加した。
https://ecancer.org/en/news/25935-trial-reveals-major-advance-in-treatment-of-aggressive-lymphoma
(2025年1月27日公開)