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01 Nov 2024
University of California San Diego Centre for Epigenomics (C4E)の研究者らは、細胞内の遺伝物質の配列であるクロマチン構造を迅速に判定できるDroplet Hi-Cと呼ばれる新たな技術を開発した。
クロマチン構造は、細胞内で遺伝子がどのように活性化されるか、そして次にそれらの細胞がどのように機能するかに影響を与える。
Droplet Hi-Cは、クロマチン構造を研究するための既存の方法よりも高速であるだけでなく、より手頃な価格であるため、研究者にとっては、がんや神経疾患などの複雑な疾患の進行に遺伝子がどのように影響するかを理解することが非常に容易になる可能性がある。
研究者らはすでに、個々の細胞を微小液滴に取り込むことで機能するこの技術を、マウスの脳細胞やヒトの腫瘍におけるクロマチン構造の研究に応用している。
長期的には、Droplet Hi-Cは新たな創薬ターゲットの発見を促進し、がんがどのように治療抵抗性を獲得するかを解明する一助となる可能性がある。
この技術は臨床現場にも応用できる可能性があり、病勢進行や治療選択肢に関する個別の洞察を得られる可能性がある。
Nature Biotechnology誌に10月18日付けで発表されたこの研究は、C4Eの所長で、Department of Cellular & Molecular Medicine at UC San Diego School of Medicineの教授であるBing Ren博士が主導した。
(2024年10月21日公開)