トップ > ニュース

ニュース

e-cancer:脳腫瘍 悪性脳腫瘍、膠芽腫の個別化治療の機会を促進するチーム

21 May 2024

プロテオゲノム解析による再発膠芽腫の進化動態を初めて明らかにした先駆的な研究が発表され、治療への道を開く可能性を示している。

Korea University College of Medicine’s Department of Biomedical InformaticsのJason K. Sa教授とNational Cancer CenterのJong Bae Park教授らの研究チームは、統合的なプロテオゲノム解析により、再発膠芽腫の進化過程を解明した。

彼らは、Cancer Cell誌に掲載された研究結果に基づき、新たな治療の機会を提供した。

膠芽腫は、その複雑な遺伝子変化と周囲の神経細胞と相互作用する機能で知られている。

再発率が高く、化学療法や放射線療法などの標準治療に対する抵抗性が強いため、とくに難しい疾患である。

研究チームは、患者123名から採取した適合する原発性および再発膠芽腫のゲノム、トランスクリプトーム、プロテオミクス・プロファイルを綿密に解析した。

彼らは、再発腫瘍がWNT/PCPシグナル伝達経路とBRAFプロテインキナーゼの活性化を介して神経細胞移動を起こしていることを発見した。

また、この研究は、患者由来の細胞と動物モデルを用いた実験的検証を通じて、正常な神経細胞と腫瘍細胞の間のシナプスの形成が、標準治療に対する再発腫瘍の抵抗性に重要な役割を果たすことを示した。

さらに、この研究ではBRAF阻害標的薬であるベムラフェニブを従来の化学療法薬であるテモゾロミドと併用投与すると、再発腫瘍細胞の神経細胞移動と浸潤能が効果的に損なわれ、動物モデルでの生存期間が大幅に延長されることも明らかになった。

この結果は、BRAFプロテインキナーゼを標的とすることが、再発膠芽腫と闘うための新しい戦略であることを立証し、革新的な治療の機会への道を拓く。

Sa教授は、次のように述べた。「従来のゲノム解析の課題は、腫瘍の進化パターンを完全に解読できないことであった。しかし、この研究は多次元データ解析アプローチを活用しており、新たな治療の可能性を提供する」

Park教授は「ゲノム、プロテオミクス、そして臨床データを統合して、脳腫瘍の再発における神経細胞-脳腫瘍細胞ネットワーク形成の役割を実証できたのはこれが初めてである」と説明した。

 

https://ecancer.org/en/news/24725-team-facilitates-personalised-treatment-opportunities-for-malignant-brain-tumour-glioblastoma

(2024年5月13日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー