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e-cancer:婦人科がん がん細胞の「綱引き」に光を当てる研究

15 May 2024

がん細胞が原発巣からどのように広がるかを理解することは、その疾患自体の悪性度の判断を含め、多くの理由から重要である。

隣接組織の細胞外マトリックス (ECM) への細胞の移動は、転移の始まりに直接相関するがんの進行に不可欠なステップである。

AIP PublishingのAPL Bioengineering誌は、ドイツとスペインの研究チームが乳がん細胞株パネルと、乳がんおよび子宮頸がん患者から原発巣の組織片を採取し、2つの異なる細胞収縮状態を調べた。

1つは細胞クラスターをコンパクトに保つ集合的な組織表面張力を発生させるもので、もう 1つは、細胞が自ら ECM に引き込まれることを可能にする、より方向性のある収縮性である。

「われわれは2つのパラメーターに焦点を当てた。すなわち、細胞がECM線維を引っ張り、牽引力を発生させる能力と、細胞が互いに引っ張り合い、それによって高い組織表面張力を発生させる能力である」と著者のEliane Blauth氏は述べた。

「それぞれの特性を異なる収縮メカニズムと関連付け、それらががん細胞の脱出や腫瘍の侵攻性とどのように関連しているかを調べた」

研究チームは、より侵攻性の高い細胞はそれ自体よりもECMをより強く引っ張り、非侵襲性の細胞はECMよりもそれ自体を強く引っ張ることを発見した。

そして、この引っ張り合う反応の違いは細胞内のアクチン細胞骨格の構造の違いに起因することを発見した。

一方、侵襲性細胞は、主にアクチンのストレスファイバー(細胞内に張り巡らされた太いアクチンの束)を使って周囲に力を発生させているが、非侵襲性細胞は、アクチン皮質(細胞膜直下の薄いネットワーク)を通じて力を発生させている。

この研究により、細胞の脱出の可能性を決定するのは、これらの収縮状態の全体的な大きさではなく、それらの細胞間の相互作用であることが示された。

中等度の浸潤性細胞のみを用いた実験では、これらの細胞がECM線維に発生させる総力は非浸潤性細胞と同程度であるにもかかわらず、非浸潤性細胞では不可能なECMからの剥離や浸潤が可能であることが示された。

「非浸潤性細胞は依然として高い皮質収縮性を有し、細胞同士を結合させているのに対し、中等度の浸潤性細胞は皮質収縮性がほぼ消失している」とBlauth氏は述べた。

「つまり、ECM線維を引っ張る力がかなり弱くても、あまり妨げにはなっていない」

患者由来の生体腫瘍外植片を用いたチームの測定により、細胞株実験の結果が裏付けられた。ここでは、皮質収縮性の高い細胞の数が腫瘍の進行とともに減少した。

「このことはさらに、腫瘍が増殖するにつれて、細胞が互いに引っ張り合い、クラスターを維持する能力が弱まり、転移リスクが増大する可能性があることを示している」

 

https://ecancer.org/en/news/24701-study-sheds-light-on-cancer-cell-tug-of-war
(2024年5月9日公開)

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