ニュース
15 May 2024
Mass General Brigham の研究者らは、ChatGPT などのツールを強化する基礎モデルの背後にあるテクノロジーを活用し、放射線画像からパターンを識別する方法を変える可能性のある新しいがん画像バイオマーカーを発見した。
このようなパターンの識別を改善すると、がんの早期発見と治療に大きな影響を与える可能性がある。
研究チームは、11,467枚の異常X線画像からなる包括的なデータセットを用いて、基礎モデルを開発した。
これらの画像を用いて、4つのコホートにおける3つの異なる使用例において、解剖学的部位、悪性度、予後を予測するパターンを特定することができた。
この分野の既存の方法と比較して、限られたデータしか利用できない特殊なタスクに適用した場合でも、そのアプローチは強力であった。
結果はNature Machine Intelligence誌に掲載された。
「画像バイオマーカー研究がますます具体的な研究課題に答えるように調整されていることを考えると、われわれの研究はより正確で効率的な研究を可能にすると信じている」 と、筆頭著者であるMass General BrighamのArtificial Intelligence in Medicine (AIM) ProgramのSuraj Pai氏は述べた。
AI手法の有効性は向上しているものの、その信頼性と説明可能性(AIの回答が人間にとって「理にかなった」方法で説明できるという概念)には重要な疑問が残る。
研究者らは、自分たちの方法が読み取り者間のばらつきや習得の違いにかかわらず安定していることを実証した。基礎モデルによって同定されたパターンもまた、基礎となる生物学と強い関連を示し、主に免疫関連の経路と相関していた。
「われわれの発見は、深層学習ネットワークの学習に利用できるデータが限られている場合、特に、がんに関連するユースケースのための信頼性の高い画像バイオマーカーの同定に適用した場合、医療における基礎モデルの有効性を実証する」と、AIM Programのディレクターであり、上級著者であるHugo Aerts氏は述べた。
(2024年5月8日公開)