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e-cancer:肺がん 小細胞肺がんにおける薬物反応の謎を科学者らが解明

03 Apr 2024

小細胞肺がん(SCLC)は非常に侵攻性の高い肺腫瘍で、特にヘビースモーカーに発生する。

このタイプの腫瘍は急速に広がるため転移が早いため、ほとんどの患者は初期に顕著な抗腫瘍効果を示す化学療法でしか治療できない。しかし、時間の経過とともに再発は頻繁に発生する。

Department of Translational Genomicsのディレクターであり、Collaborative Research Center 1399(CRC1399、Mechanisms of Drug Sensitivity and Resistance in Small Cell Lung Cancer)の議長でもあるRoman Thomas教授率いるUniversity of Cologneの研究チームは、このたび初めてこの事象に影響を与えるメカニズムを特定した:

診断時には治療感受性の高いがん細胞の細胞集団が優勢であるため、通常、治療は初期には有効である。

さらに研究チームは、このような感受性が高い大きな細胞集団には、他の多数の全く異なるがん細胞が隠れていることを明らかにしている。

通常、これらの細胞は元の細胞の初期の前駆体から発生し、治療に抵抗性があり、治療成功後も抑制されずに増殖することがある。

この研究論文「Evolutionary Trajectories of Small Cell Lung Cancer under Therapy」はNature誌に掲載された。

 

標的治療の開発に対する理解

「治療や再発の過程において、個々の患者の腫瘍の正確な発生を理解することは大きな課題であり、重要な目標である。われわれの解析で、多くの進行がんに関連性が高いメカニズムが明らかになる」と、筆頭著者でCRC1399の共同議長であるJulie George教授は述べた。

例えば、ほぼ全ての患者で発生する腫瘍の再発では、通常、優性の細胞集団が異なっていた。

治療期間中のさらなる治療、例えば放射線治療では、がん細胞は最初の化学療法によって引き起こされた遺伝的損傷の特徴を示した。

さらに研究者らは、化学療法に対する特定の耐性に関連する腫瘍細胞の個々の遺伝的特徴を検出することができた。

この研究結果は、さらなる治療法開発の成功の可能性は、多数の治療抵抗性腫瘍細胞によって、常に制限される可能性があることを示唆している。

したがって、治療法のひとつは、のちに耐性化する可能性のあるがん細胞の数を最小限にするために、可能な限り最も集中的な初期治療を行うことである。

「われわれは、この疾病を理解する上で決定的な一歩を踏み出した。これにより、罹患患者の生存期間の延長につながる新たな治療戦略の開発が可能になることを大いに期待している」と、Roman Thomas教授は述べた。

「この結果は、一方ではいささか冷徹ではあるが、他方では将来の新たな治療法の選択肢を期待させる」

 

https://ecancer.org/en/news/24404-scientists-unravel-mystery-of-drug-response-in-small-cell-lung-cancer
(2024年3月14日公開)

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