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26 Mar 2024
新たな研究によると、メタボリックシンドローム(高血圧、血糖値上昇、過剰な腹部脂肪、異常なコレステロールなどの症状を含む)が持続し、悪化している人は、さまざまな種類のがんを発症するリスクが高い。
この研究結果はAmerican Cancer Societyの学術誌CANCERオンライン版(Wiley社刊)で発表された。
この研究では、中国の平均年齢49歳の成人44,115名を、(最初の健康診断時の)2006~2010年までの傾向に基づいて、4つの異なる軌跡に分類した:10.56%は低値安定パターンでメタボリックシンドロームスコアが低値を維持;40.84%は中低値パターンでメタボリックシンドロームスコアが中~低値を維持;41.46%は中高値パターンでメタボリックシンドロームスコアが中~高値を一貫して維持;7.14%は上昇増加パターンで当初高値だったメタボリックシンドロームスコアが時間の経過とともに上昇した。
2010~2021年の追跡期間中、追跡期間中央値は9.4年で、参加者のうち2,271名ががんと診断された。
軌跡パターンが低値安定であった参加者と比較して、軌跡パターンが上昇増加していた参加者は、いずれかのがん、乳がん、子宮内膜がん、腎臓がん、大腸がんおよび肝臓がんの発症リスクがそれぞれ1.3倍、2.1倍、3.3倍、4.5倍、2.5倍および1.6倍高かった。
低値安定、中低値、中高値の軌跡パターン群を合わせても、上昇増加軌跡パターン群の方がすべてのがん種の発症リスクが高かった。
また、メタボリックシンドロームのスコアが持続的に高く、慢性炎症を併発している参加者では、乳がん、子宮内膜がん、大腸がん、肝臓がんの発症リスクが最も高く、腎臓がんのリスクは、主に慢性炎症のない持続的に高いスコアの参加者に認められた。
「この研究は、メタボリックシンドロームの積極的かつ継続的な管理が、がんの予防に絶対不可欠な戦略であることを示唆している」と、北京にあるCapital Medical UniversityのHan-Ping Shi医学博士(上席著者)は述べた。
「われわれの研究は、メタボリックシンドロームとがんを結びつける生物学的メカニズムに関する今後の研究の指針となり、その結果、標的治療や予防戦略につながる可能性がある。がんのリスクを調節できるか判断するには、これらの介入の正式な評価が必要になるだろう」
https://ecancer.org/en/news/24386-does-worsening-metabolic-syndrome-increase-the-risk-of-developing-cancer
(2024年3月12日公開)