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e-cancer:がん全般 神経芽腫の免疫抑制と攻撃性におけるシグナル伝達分子を初めて特定

26 Mar 2024

MYCNオンコプロテイン(がん細胞の増殖に関係するタンパク質)は、さまざまなヒトがんの発生、進行、治療困難化に重要な役割を果たしている。

MYCNが活動しすぎると、とくに高リスクの神経芽細胞腫(副腎で見つかることが多い小児がん)では、腫瘍が免疫療法(身体の免疫系を使ってがんと闘う治療法)に反応しにくくなる。

それでも、この問題の認識は、この問題に取り組むための効果的な戦略にはつながっていない。

Boston University Chobanian & Avedisian School of Medicineの新研究で、研究者らは、MYCNが神経芽腫細胞内でシグナル伝達分子CKLFのレベルを選択的に増加させ、抗腫瘍免疫応答を抑制し、腫瘍の攻撃性を促進することを発見した。

この研究はScience Advances誌に掲載された。

「われわれは、科学者として、免疫療法の効果を高めるために、低反応の腫瘍を免疫療法に受け入れやすくする方法を探している。腫瘍細胞がどのようにこの分子を利用して免疫細胞とコミュニケーションをとっているかに対する理解は、高リスクの神経芽腫の小児たちにより少ない毒性で、より効果的な治療を提供するための効果的な免疫療法戦略の開発を促進する」と、同校薬理学・生理学・生物物理学准教授のHui Feng医学博士が説明した。

研究者らは、実験モデル、臨床患者サンプル、体外細胞培養を調査した。

シグナル伝達分子CKLFを過剰発現させた神経芽細胞腫の実験モデルとそうでない実験モデルを、抗腫瘍免疫応答の抑制を通じて腫瘍の攻撃性を高める能力について比較した。

本研究の筆頭著者であり、Feng研究室の研究員であるXiaodan Qin博士によれば、この研究は、腫瘍細胞が免疫細胞の機能を低下させる腫瘍微小環境を誘導するメカニズムを理解する上できわめて重要であり、抗腫瘍免疫応答を誘発する新たな治療アプローチを明らかにした。

「この研究の長期的な目標は、高リスクの神経芽細胞腫やおそらく他のタイプのMYCN駆動性小児がんを治療するために、化学療法や放射線療法よりもはるかに毒性の低い効果的な薬剤を発見することである」と、Feng氏は述べる。

 

https://ecancer.org/en/news/24427-researchers-first-to-identify-a-signaling-molecule-in-neuroblastoma-immunosuppression-and-aggressiveness
(2024年3月18日公開)

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