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21 Mar 2024
UGR、IDIBELL、Catalan Institute of Oncology、Biohealth Research Institute in Granada (ibs.GRANADA)が行った研究は、Environmental Health Perspectives誌に掲載され、環境汚染物質と子宮内膜がんとの関連性を明らかにした。
この共同研究には、Bellvitge University HospitalとBiomedical Research Networking Center for Epidemiology and Public Health (CIBERESP)の科学者と医師が参加した。
子宮内膜がんは、子宮の内膜に発生する腫瘍の一種である。
スペインでは毎年5,000名以上が新たにがんに罹患しており、女性の健康に重大な影響を及ぼしている。
さらに、高齢化の影響もあり、この種のがんの発生率は増加している。
ホルモン依存性のがんであるため、エストロゲンがその発症と進行に関与している可能性がある。
この研究では、子宮内膜がんと、ホルモンの働きを乱す可能性のある環境汚染物質の混合物への暴露との関係を調べた。
内分泌かく乱物質としても知られるこの種の化学物質は、外因性エストロゲンとして作用し、殺虫剤や除草剤を含む多くの工業製品や、化粧品やその他の日常消費財に含まれている。
研究者らは、高度な化学分析技術と生物学的検査を用いて、子宮内膜がんの有無にかかわらず、女性300名以上の血液中の総ホルモン負荷を評価した。
UGRの教授であり、ibs.GRANADAおよびCIBERESPの研究者であるMarieta Fernández氏は、「このような生物学的試験の使用は、化学混合物の悪影響を理解するのに役立つ」と説明する。
その結果、内分泌かく乱物質への暴露と子宮内膜がんの発症リスク増加との関連が示された。
「興味深いことに、中用量の外因性エストロゲンでは効果がみられたが、高用量ではみられず、内因性ホルモンで観察されたのと同様だった」と、IDIBELLとCatalan Institute of Oncologyの研究者である Laura Costas氏は付け加えた。
「このがんはホルモンに依存するがんであるため、この関係はおそらく腫瘍の性質そのものに関係していると考えられる。したがって、すでにこの病気を患っている女性において、外因性エストロゲンの存在が病態の悪化をもたらすかどうかも研究したい」と、CIBERESPの研究者でもある Costas氏は述べる。
この研究は、内分泌かく乱物質が人間の健康に及ぼす悪影響を明らかにし、公衆衛生に重大な影響を与えるものである。
また、環境リスクを評価する際には、混合化学物質の複合的影響を考慮する必要性も強調されている。
https://ecancer.org/en/news/24405-endocrine-disruptors-may-increase-risk-of-endometrial-cancer
(2024年3月14日公開)