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15 Mar 2024
がんと診断されたカナダ人の少なくとも1/3が、「経済毒性」と呼ばれる経済的苦痛を経験しており、それが診断の負担を増大させていると、著者らはCMAJ誌に掲載された解説に記している。
「経済毒性とは、がんと診断された患者の直接的、間接的、および精神的なコストを指し、健康不良およびがん転帰の危険因子としてますます認識されている」 とUniversity of British ColumbiaおよびBC Cancer Research Institute (ブリティッシュコロンビア州バンクーバー) のRachel Murphy博士と、共著者のTruman Wood氏は著わしている。
持ち帰り用の抗がん剤の多くは、州の医療制度では支給されておらず、カナダで、これらの薬剤を支給される可能性のある民間保険に加入している人々は60%に過ぎない。
さらなる経済的負担として、在宅医療費、通院回数が多い場合の駐車場代、主要都市以外に住む人の治療のための交通費や宿泊費、収入の減少、育児費やその他の費用がある。
「経済毒性は、カナダのがん医療における現代の問題であり、カナダで予測されるがん罹患率増加、新規がん治療の高額費用、生活費の上昇を考えると、多くの人々を圧倒する可能性がある」と、著者らは記す。
経済的負担軽減のための提案には、在宅医療と医療機器に対する連邦政府と州の支援、病気休暇と高度障害給付金のための福利厚生計画の改善、ファーマケア支援が含まれる。
同様に、がんセンターは、人々を支援サービスにつなげるための患者ナビゲーションプログラムを提供し、駐車料金の減免や経済的に困窮している患者のための送迎サービスを検討することができる。
「低所得の人々は、経済的負担や健康状態の悪化など、それに関連するリスクが最も高くなる。医療システムの革新と変革を求める声は、患者とその家族のがんによる経済的負担を管理するための支援の必要性を見落としてはならない」
https://ecancer.org/en/news/24375-financial-toxicity-affects-at-least-one-third-of-patients-with-cancer
(2024年3月11日公開)