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e-cancer:血液がん ASH 2023:新薬により急性骨髄性白血病患者における生存期間の人種間格差が縮小

17 Jan 2024

University of Pennsylvania Perelman School of MedicineおよびPenn Medicine’s Abramson Cancer Centerの研究者らが、2023 American Society of Hematology (ASH) 年次総会で発表した研究(抄録番号955)によると、急性骨髄性白血病(AML)の非ヒスパニック系黒人患者は、新しい治療法が利用可能になったことで生存期間が長くなった。

かつては、血液と骨髄を侵すがんであるAMLの標準治療は、強化化学療法であった。残念ながら、副作用が強すぎて生存率が低かったため、多くの高齢患者はこの治療を受けることができなかった。

2018年11月、他の薬と組み合わせて錠剤の形で投与される新しい標的治療薬ベネトクラクスがAMLに対して承認された。

これにより、AML治療の新たな「時代」の幕開けとなり、化学療法を受けるには高齢か病弱すぎると考えられていた患者が、実行可能な治療選択肢にアクセスできるようになった。

このレトロスペクティブ研究で研究者らは、ベネトクラクスが承認されて以来、特に非ヒスパニック系黒人患者のAML生存率が改善していることを発見した。

非ヒスパニック系黒人AML患者の予測2年全生存率(年齢および併存疾患調整後)は28.6%から45.3%に上昇し、非ヒスパニック系白人患者との生存率格差が緩和された。

この研究では、全国規模の電子カルテ由来のデータベースを用いて、2014年1月~2018年12月の間にAMLと診断された約3,000名の成人患者と、ベネトクラクスやその他の研究の進歩が臨床導入された後の2019年1月~2022年10月の間という、最新の治療時代に診断された約2,000名の別の患者の生存動向を比較した。

「歴史的に、AMLは治療が非常に困難ながんであった。そのため、初めて健康格差の縮小を含め、治療成績が向上していることを目の当たりにし勇気づけられた」と、筆頭著者であるUniversity of Pennsylvania血液腫瘍科3年目のフェロー、Xin Wang医学博士は語った。

「がん治療における人種的および民族的格差は複雑だが、われわれの研究は、新しい治療法が地域病院を含む「現実」の環境に導入されれば、方向性を変えられることを示している。

臨床研究の面では、これらの機会を活用して、これまで過小評価され、研究が不十分だった集団に、より良いサービスを提供する必要がある」

研究者らは、AMLにおける既存の人種・民族間格差についてより詳しく知り、―その後、より外来患者や地域に根ざしたケア提供へとシフトしていった―ベネトクラクスを含む新たな低強度治療薬の承認がこれらの格差に影響を及ぼすかどうかを評価することを目的とした。

研究者らは、この最新のAML治療において、とくに70歳以上の患者において全生存期間が改善したことを発見した。

最新のコホートでは治療を受けた患者の年齢が高く、ベネトクラクス承認前に診断されたコホートの年齢中央値は68.5歳だったのに対し、中央値は71歳であった。非ヒスパニック系白人の患者では全生存期間がより緩やかに改善したが、ヒスパニック系患者では最新のAML治療を受けても生存期間は改善しなかった。

「これらの結果は、最新のAML治療における人種的・民族的格差をよりよく理解するための第一歩であり、広範な多施設前向き共同研究においてさらに検討されるべきものである」と、共同筆頭著者である疫学・小児科学の助教Kelly Getz氏(PhD, MPH)は述べた。

研究チームの継続的な研究は、他の要因が全体的な生存傾向にどのような影響を与えたのかを評価することに焦点を当てている。

この研究は、AML生存における人種/民族格差の進展に光を当てたが、非ヒスパニック系黒人患者において、なぜこのような大幅な改善がみられたのかをよりよく理解するためには、さらなる研究が必要である。

研究者らは、この層はベネトクラクスの臨床試験では過小評価されており、生物学的特徴(がん変異など)、非生物学的要因(その後の治療や医療へのアクセスなど)、あるいはその組み合わせのいずれが、この違いの原因かは不明であるとしている。

「より包括的な見解を得るために、基礎科学、トランスレーショナル、そして質的研究の専門家とともに、この研究を発展させたい」と、共同上席著者である血液・腫瘍学准教授で、Penn Medicine’s Leukemia Clinical Research Unitの医師リーダーであるCatherine Lai医学博士(MD, MPH)は語った。

「最終的には、この非常に困難な疾患を持つすべての患者の転帰をさらに改善することがわれわれの目標である」

本研究は、National Institutes of Health(1F32MD018944-01)およびPerelman School of Medicine Division of Hematology-OncologyのHealth Equity Research Pilot Award の支援を受けた。

 

https://ecancer.org/en/news/24000-ash-2023-new-drug-helps-narrow-racial-survival-disparity-in-patients-with-acute-myeloid-leukaemia

(2023年12月21日公開)

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