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e-cancer:血液がん ASH 2023:マントル細胞リンパ腫患者、イブルチニブとベネトクラクスの経口併用で予後が改善

16 Jan 2024

University of Texas MD Anderson Cancer Centerの研究者らによると、イブルチニブとベネトクラクスの併用標的療法は、再発/難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)患者82%において、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、全寛解率を達成した。第III相SYMPATICO試験の結果は、2023 American Society of Hematology (ASH) 年次総会で発表された。

追跡期間中央値51.2か月において、PFS中央値はイブルチニブ+プラセボの22.1か月に対し、併用療法では31.9か月であった。PFSベネフィットは、芽球性変異型やTP53変異型MCLを含む患者サブグループで一貫していた。併用群では54%の患者が完全寛解を達成したのに対し、プラセボ群では32%であり、有意な改善がみられた。

「この臨床試験データと、この標的療法により寛解を達成した患者には大変勇気づけられた。この併用療法により、がん細胞を2つの方法で攻撃することができ、腫瘍が耐性を獲得しにくくなった」と、治験責任医師Michael Wang医学博士は述べた。

この国際多施設共同試験では、BTK阻害剤イブルチニブを、BCL-2 阻害剤ベネトクラクスと組み合わせて評価した。 この2剤は連携してMCL細胞を攻撃する。

MCLは稀なタイプの非ホジキンリンパ腫で、米国では毎年約4,000例が新たに診断されている。ステージIVで診断されることが多く、MCLは進行性の疾患である。Wang氏によると、MCLは人口の高齢化に伴い、より一般的になってきているという。

この試験には、少なくとも1つの前治療歴のある再発/難治性MCLの成人267名が登録された。患者はイブルチニブとベネトクラクス投与群、イブルチニブとプラセボ投与群に無作為に割り付けられた。

副作用は管理可能であり、過去の試験と一致していた。グレード3以上の有害事象は併用群84%、プラセボ群76%に発現した。最も多くみられた副作用は好中球減少であった。

「MCL患者のために、効果的で、標的を絞った、化学療法を必要としない治療法の特定に取り組んでいるわれわれにとって、今回の発見は勇気づけられる」と、Wang氏は述べた。「われわれは、これらの患者にとって最良の治療法を決定するために、この試験からより長い追跡調査データを得ることを楽しみにしている。これはMCL患者にとって画期的な成果である」

本試験はAbbVie社の支援を受けて実施された。共同研究著者のリストと開示情報は抄録に掲載されている。

 

https://ecancer.org/en/news/23999-ash-2023-mantle-cell-lymphoma-patients-see-improved-outcomes-with-oral-combination-of-ibrutinib-and-venetoclax

(2023年12月21日公開)

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