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e-cancer:子宮頸がん ESMO 2023:一次標準療法に免疫療法を追加すると、転移・再発子宮頸がんの生存期間が有意に改善する

14 Dec 2023

根治手術や放射線治療が不可能な転移・再発子宮頸がん患者は、治療選択肢が限られており予後不良である。

この状況下での第一選択治療は、シスプラチン/パクリタキセル化学療法と血管新生阻害剤ベバシズマブの併用療法である。

この治療戦略は、全生存期間(OS)中央値17か月、無増悪生存期間(PFS)8.2か月を示した前回の第Ⅲ相婦人科腫瘍グループ(GOG)240試験の結果に基づいて承認された。

Vall d’Hebron Institute of Oncology (VHIO) Gynecological Malignancies Groupの主任研究者であり、Vall d’Hebron University Hospital (HUVH)の腫瘍内科医であり、Spanish Ovarian Cancer Research Group (GEICO)の研究者であるAna Oaknin氏が指揮を執った、 非盲検第III相BEATcc学術試験(ENGOT-Cx10/GEICO 68-C/JGOG1084/GOGG-3030)は、PD-L1の状態に関係なく、PD-L1チェックポイント阻害剤アテゾリズマブを一次化学療法+ベバシズマブ標準療法に追加することと、標準療法単独を比較評価した。

この国際研究の結果はLancet誌に発表され、根治手術/放射線治療が不可能な転移性(ステージIVB)または再発子宮頸がんの未治療患者410名を対象とし、標準療法またはアテゾリズマブ追加併用療法に1対1で無作為に割り付けた。

「追跡期間中央値35か月時点で、アテゾリズマブ追加併用療法群の全生存期間中央値は32.1か月であったのに対し、対照群では22.8か月であった。この大幅な改善は、この環境では前例がない」と、本研究の筆頭著者で主任研究者のAna Oaknin氏は述べる。

「現在の標準治療が承認されたのは前回のGOG240試験の結果に基づいているが、2年生存率は40%以下だった。本試験のOS中間結果では、アテゾリズマブ+ベバシズマブと化学療法のダブル投与を受けた患者の2年生存率は60%だった」と、Oaknin氏は述べた。

BEATcc試験ではPFSも有意に改善した。PFS中央値は実験的併用療法群で13.7か月、対照群で10.4か月であった。

「全生存期間への影響を考慮し、さまざまな規制当局や医療費償還制度による評価を踏まえれば、ベバシズマブと化学療法による標準療法にアテゾリズマブを追加することは、転移・再発子宮頸がん患者に対する新たな第一選択治療として考慮されるべきである」と、Oaknin氏は結論づけている。

BEATcc試験結果は、10月20~24日までマドリードで開催された2023年ESMOにおいて、最新データとして選出され、その後、Oaknin氏がESMO Virtual Plenaryとして発表した。

 

https://ecancer.org/en/news/23957-esmo-2023-immunotherapy-added-to-first-line-standard-therapy-significantly-improves-survival-in-metastatic-or-recurrent-cervical-cancer

(2023年12月4日公開)

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