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e-cancer:膵臓がん このがんの免疫反応を解読することはできるのか?

14 Dec 2023

膵臓がんの90%以上は、膵管腺がん(PDAC)と言われる進行性で致死性の高い病型である。われわれの免疫系とPDACとの相互作用については、あまり理解されていない。そのため、治療法を考えるのは難しい。患者ががんに対して自然な免疫反応を示さないのは、腫瘍環境が何らかの形でその反応を妨げているからだと考えられている。多くの人は、PDACが免疫系と相互作用するということに全く確信を持っていない。

Cold Spring Harbor Laboratory(CSHL)の研究者らは今回、膵臓がんがわれわれの免疫系に反応を引き起こすことを確認した。しかし、ほとんどの疾患を撃退するのに役立つT細胞は、PDAC腫瘍に浸潤することが困難である。これらの知見は、治療法の開発に向けた今後の取り組みの指針となるだろう。

本研究のために、CSHLのDouglas Fearon教授は、筆頭著者であるMin Yao氏、Zucker School of MedicineのMatthew Weiss教授、およびCSHL Partners for the Futureプログラム参加者であるCold Spring Harbor High SchoolのSophia Shen氏を含むチームと協力した。

研究チームはまず、PDAC腫瘍のみに存在し、正常組織には存在しない新しい抗原の探索に着手した。体内では、特定の抗原を認識する抗体と呼ばれる細胞が作られ、抗原の破壊に役立っている。新たなPDAC抗原の同定は、なぜ一部の患者が他の患者より予後が良好なのかを説明するのに役立つ可能性がある。

研究チームは、Northwell Healthの患者7人から採取した膵臓腫瘍サンプルの形質細胞の塩基配列を解析した。そして、その配列に基づいて合成抗体を作成した。この合成抗体は、身体の免疫反応の背後にある新しいPDAC抗原を指し示してくれるだろうという考えであった。しかし、探していたものは見つからなかった。その代わりに、体内で産生されるがん細胞や正常細胞の抗原に反応する25の抗体を発見した。これらの抗体は患者間で一貫していた。

「複数の患者から同じ抗原と反応する抗体がいくつも得られたというデータの明瞭さに驚いた」とFearon氏は述べた。

これまで研究者らは、膵臓がんが免疫を抑制すると考えていた。解決策としてワクチン接種を検討した研究者もいた。Fearon氏の研究チームは、今回の調査結果から、そのような戦略は必要ないだろうと述べている。

「膵臓がんは免疫学的に無症候性ではない。それがメッセージである」とFearon氏は説明する。「膵臓腫瘍にはすでに免疫原性がある。われわれは免疫反応ががんを攻撃できるようにすることに挑戦している」

研究者らはこの問題をよりよく理解したので、実行可能な解決策を開発することができる。膵臓がん研究にとって、これは真の進歩であり、歓迎すべきことである。

https://ecancer.org/en/news/23948-can-we-crack-this-cancers-immune-response

(2023年12月1日公開)

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